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2005年7月27日 (水)

徳富蘇峰、「便宜主義」の範例

米原謙『徳富蘇峰 -日本ナショナリズムの軌跡-』中公新書(2003年)

 著者は明治日本から昭和日本への国家としての変貌と、蘇峰の生涯を重ね合わせることで、近代日本のナショナリズムの軌跡をたどった。確かにたどったのだが、何故あの輝かしき「青春の明治」が、1945年の日本の廃墟に至ってしまったのかは、少なくとも私にはこの書からその理由を詳らかにできなかった。

 おそらく、文中にある(p.71)、陸羯南の「原理主義」と蘇峰の「便宜主義(オポチュニズム)」の対照性の指摘が、一つの鍵になると憶測するのだが、著者はその点を敷衍して論じてはいない。蘇峰の残した山のような著書に目を通し、それらと生涯を対応させるという作業だけでも、莫大な知的エネルギーの投入を免れないことは理解できる。どう変わったかは了解した。ただ、私が知りたかったのはその先であった。残念な書である。

*参照
徳富蘇峰(2)
徳富蘇峰(3)

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