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2005年8月17日 (水)

I.バーリン『自由論』

 バーリンを単なる優れた思想史研究者から分かつものは、人間の有する深く厳しい倫理性の認識と、翻ってそれゆえの人間の自由についての確信である。

だから、彼が「人間を他の自然物と区別するのは理性的思考でも自然に対する支配でもなくて、選択し実験する自由である」(本書p.450)とJ.S.ミルの思想を簡潔に表現したとき、そこには善をも悪をも選びうる人間の倫理的かつ、根源的自由の意味が込められていた。

 この旧約思想から来る人間観、歴史観を知ろうとしなければ、彼の思想が現代に投げかける問いの意味を受け止めることはできないし、極東軍事裁判が突きつけた、日本人の自由と責任への問いも不明のままだろう。

次回へ。

自由論
アイザィア バーリン
みすず書房
ISBN: 4622049740
新装版  (2000/06)

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» ■自由への予備的問題(1)■ [日記はこれから書かれるところです。]
二つの自由概念ともう一つ(俺のための理論的整理)ある種の人々は、二つの自由概念と書いた時点で、これから何が語られるかわかることと思う。だが、そうしたある場所における「常識」は、現代民主主義における重要な鍵である情報流通にのっているとは言い難いのが実情で...... [続きを読む]

受信: 2005年10月27日 (木) 03時23分

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