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2005年9月19日 (月)

日米安保条約の意味

 そもそも、日米安全保障条約とはなんだったのか。

 別に、親切なアメリカさんが、北海道を虎視眈々と狙っていた旧ソ連から、わが日本を身銭を切って守ってくれる、なんていう虫のいい話では、そもそもなかった。この条約の本質は、日本に二度とアメリカに反旗を翻させないための拘束衣と考えたほうが妥当だろう。要するに飼い犬に二度と手を噛まれないようにするための猿ぐつわみたいなものである。

 米国はたかだか二百余年の歴史の中で、やたらと対外戦争をしてきた国だ。そして、南北戦争と日本で呼ばれている史上最大の内戦を最後に、国内が戦場あるいは市街戦の場になったことはひとつの例外を除いてなかった。その例外が大東亜戦争における真珠湾攻撃である。ようするに、外国軍が国内に攻め込んできたのは史上、日本軍だけだったわけだ。

 この衝撃は大きい。あのヒットラーだって米国土を攻撃できてない ( ま、欧州戦線で忙しくて、そんな暇はなかったが。また、米国がその領土内を軍事的脅威に直接晒されることを、過剰なまでに恐れることは、キューバ危機の事例から見てもわかろう )。この教訓から、米国は日本が二度と米国に手向かうことがないよう、徹底した日本の去勢化を意図した。それが日米安保の米国側の意図である。

 日米安全保障条約の本質とは、日本とアメリカの安全を守る攻守同盟などという代物ではなく、日本という潜在的脅威から米国を守るための、徹底した日本の軍事的去勢をねらいとしたものだったのである。

 ただ、この条約が締結される具体的な歴史的経緯を考えると、昭和天皇の自己保身ということもからむようなので、吉田茂が番犬よろしく、米国に尻尾を振った結果というわけでもないようだ。下記を参照。

日米安保秘話
http://www14.plala.or.jp/nnakamur/anpo2.htm

 ま、とにかく、私から言わせれば、日米安保が日米関係の紐帯であり、外交の基本だ、などというのは、奪われ、虐げられ、裏切られ続けても男の真心を信じようとしているやくざの女の屈折した心理以外の何ものでもない。一種のマゾ心理である。

おい、キモいぞ!。

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