国民(?)にしか認められない基本的人権
今、一人の外国人青年が、犯罪を犯したわけでもないのに、官憲に拘束される危険に晒されている。ご関心のある方は、下記↓を一瞥して戴きたい。
Alijane Project Homepage
http://www.alijane.org/index.html
こういった、日本にいる日本国籍を有しない人々に対する人権侵害の根本に、現状の日本国憲法の欠陥があると思う。
例えば、以下の条文などどうだろう。
第十条【日本国民の要件】
日本国民たる要件は、法律でこれを定める。
第十一条【基本的人権の享有と性質】
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第十四条【法の下の平等、貴族制度の否認、栄典の限界】
1すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
外国人なら、「基本的人権の享有を妨げられ」ても、よいのか。「この憲法」は、日本国民以外の人間に、「基本的人権」を「保障」しないのか。そんな馬鹿なことがあるのだろうか。
ちななみに、日本国憲法上に現れた《ひと》に関連する言葉の回数を数えると以下のようとなった。
人間1回
人類2回
外国人0回
何人19回
国民41回
こういう、事実を冷静に凝視したうえで、この憲法をそのまま維持すべきなのか、良い方向へ変えるべきなのか、を問いたい。
注)ちなみに、日本国憲法条文を参照するのに便利なのは、国立国会図書館(NDL)の以下のサイトである。
http://www.ndl.go.jp/constitution/etc/j01.html
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コメント
こんばんわrenqingさん
renqingさんに頂いたTBをネタにちょっと考えてみました。
投稿: miyau | 2005年11月14日 (月) 22時35分
TBありがとうございました。深く考えたことはなかったがフランスなどヨーロッパのできごとなどを見ると、難しい問題ですね。
投稿: ましま | 2005年11月14日 (月) 10時00分