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2005年11月23日 (水)

靖国神社「遊就館」についての麻生外務大臣の発言

「戦争を美化する感じではなく、当時をありのままに伝えているだけ。当時はそうだったと事実を述べているにすぎない」

「遊就館」戦争美化でない 事実を展示と麻生氏
産経新聞(Sankei Web)、11/21 15:18

、と米国通信社のテレビインタビューで答えたそうな。

 では、せめてネット上からだけでも、その「遊就館」をのぞいてみると、そのトップページに、こうある。

 目的1.「殉国の英霊を慰霊顕彰すること」
 目的2.「近代史の真実を明らかにすること」

 ふーむ。確かに、「当時はそうだったと事実」を言おうとしているようだ。で、その「真実=事実」とは何かといえば、

「近代国家成立のため、我が国の自存自衛のため、更に世界史的に視れば、皮膚の色とは関係のない自由で平等な世界を達成するため、避け得なかった多くの戦いがありました。」

、ということらしい。このトップページから奥に入ると、ビジュアル的にも上手に作ってある。そこでさらに、靖国神社が「真実」と考えるところを思う存分主張している。

 ただ、素朴な疑問として、「自衛のため」「皮膚の色とは関係のない自由で平等な世界を達成するため」に、

 1.なぜ、《同じ皮膚の色の》朝鮮半島を植民地化したのだろうか。
 2.なぜ、《同じ皮膚の色の》中華民国と戦争をしたのだろうか。

 時の朝鮮王朝や中華民国が、我が大日本帝国に侵略意思をもち、その軍隊が、我が大日本帝国の領土を犯したので、「自衛のため」「避け得」ずに、戦争やらかしちゃったのだろうか。その割には、1868年以降1945年までの大日本帝国が行った戦争の中に、日本列島上での外国軍との戦闘は、1945年の沖縄戦とソ連侵攻時の北方守備隊のもの以外は、寡聞にして私は知らない。日本人が経験した戦闘はほとんど異国の地でのもの、ということだ。

 常識的な判断として、目的はどうであれ、外国軍が自分の土地にきて戦闘をしたら、それを住民は「侵略」と思うだろう。ということは、当時の中国人も、朝鮮人も、大日本帝国軍と大日本帝国を「侵略者」と考えて当然だ、ということになる。

 戦争が大好きなのは、戦闘を実際にしない者だ。戦闘経験者にこそ、戦争を語ってもらわねばならない。一度、下記をのぞいてみて欲しい。そして、「遊就館」の理念と比べていみて戴きたい。

「戦争を語り継ごう」→サイドバーから、「軍隊」へ
http://www.rose.sannet.ne.jp/nishiha/senso/

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コメント

まつもとさん、米八さん
 私はコミュニケートの可能性を信じています。少なくとも、こちらがコミュニケートの回路を閉じていない、というメッセージは伝わり得ると思っています。今、「明治」を総体として検討するために、手始めとして明治「憲法」体制の起源の分析を少しずつ始めるつもりです。そのほうが彼らにとって根本的な批判になるだろうからです。そちらにもコメント、BT戴ければ嬉しいです。

投稿: renqing | 2006年4月24日 (月) 01時53分

小林よしのりのマンガしか読んでいないくせにいっぱしの思想通ぶる層の存在、加えて北朝鮮の報道などが、昨今ふくれあがったネットお子様右翼の現状でしょう。
すべての書き込みに応対すべきではないのではないか、と思います。

「天皇大権」は憲法を超越しているから天皇の戦争責任を近代法の論理で裁くべきでないと言っている連中が舌の根の乾かぬうちに
「事後法で戦勝国が日本を裁いた東京裁判は近代法違反だ」などと言い出す。この人たちの「法理」は一体どうなっているのでしょうね?
自民党の政治屋の妄言を額面通り受け取るのは勝手だが、それに疑義をはさむ書き込みに反論したいなら、よく文章を読んでそのレベルに対応した意見を書き込むよう最低限努力すべきこと、これが常識です。

投稿: 美濃森米八 | 2006年4月20日 (木) 22時32分

 renqingさん、足踏堂さん、すみません、言いっぱなしの感がある私の発言も、ブログを荒らしている原因かもしれません(それにしても読むに堪えないので・・・)。

 小泉氏について言えば、内閣の統括者なんだから自分の「意見」(謝罪の気持ちがあるとか)に基づいて、それに反する発言をした閣僚を注意する責任があるはず。その辺に丸っきり頬かむりしている(かそもそもその気がない)から、アジア諸国からは「口だけ」に見えるんでしょうね。

 口で謝罪するより、それを行動に表す方が重要であるのは(日本人の感覚として)当然のことです。

 ナミ様、彼はアジアに何をやってきたのでしょうか?

投稿: まつもと | 2006年4月20日 (木) 10時17分

ナミ 様 コメントありがとうございます。

>総理はかねて、靖国神社への参拝は、多くの戦没者に敬意と感謝の意を表するためのものであり、A級戦犯のために参拝しているのではなく、また、日本が極東国際軍事裁判の結果を受け入れていることを明言している。

 もし、ナミさんがある人物から物理的、精神的危害を加えられたとします。あなたは、相手に謝罪を要求しますね。そのとき、相手が、
「あなたが私の謝罪を認めなくても、私はあなたに謝罪しています。本人が謝罪っていってるんだから、まちがいないでしょう。私としては、謝罪してるんですから、あなたが、謝罪していない、っていっても、私は平気です。」
と、言い放ったら、あなたなら、どう感じますか?
「まあ、本人が謝罪っていってるんだから、謝罪していることにしておこう。」
と、許しますか。おそらく、ご自分が被害を蒙った立場なら、決してご自分が納得しなければ、相手の行動を謝罪とは認めませんよね。
 コミュニケーションは、相手が自分の言葉を受け止めて了解してくれるところで成立します。言いっぱなし、では、独り言と同じです。小泉氏は、ブッシュ氏の米国の言うことは一生懸命、何を言ってるんだろうと全身を耳にして傾聴して、コミュニケートしようとしているyようです。沖縄在日米軍の移転問題でも、言いっぱなしにはしていません。にもかかわらず、中国・韓国各政府に対しては、自分が言いっぱなしで、相手がどう受け取ろうが気にしない。
 私には、小泉氏の頭がおかしいのか、単なる差別主義者にしか思えません。

投稿: renqing | 2006年4月20日 (木) 03時36分

良質な読者の多いブログであったここが、最近ちょっと変わってきてますね。ここの主人もレスをしにくいでしょう。
しかし、靖国の歴史的経緯・歴史的意味を知ってか知らずかわかりませんが、靖国参拝を行うことと植民地支配への謝罪を並行して行えるというのは、知的体力が無いか知的誠実さが無いかのどちらかでしょう。つまりは、端的にバカか、人間的にバカかってことでじゃないですか。

投稿: 足踏堂 | 2006年4月19日 (水) 13時55分

 政治家にとって、「二枚舌」と看做されることは、政治生命には致命傷であることを認識すべきであろう。

投稿: まつもと | 2006年4月19日 (水) 07時43分

小泉総理の靖国神社参拝が、過去の軍国主義を美化しようとする試みではないかとの見方は誤りである。総理はかねて、靖国神社への参拝は、多くの戦没者に敬意と感謝の意を表するためのものであり、A級戦犯のために参拝しているのではなく、また、日本が極東国際軍事裁判の結果を受け入れていることを明言している。総理はまた、我が国が、「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」ことを認め、「歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのお詫びの気持ちを常に心に刻」むべきことや、「世界の国々との信頼関係を大切にして、世界の平和と繁栄に貢献していく決意」であることを、繰り返し表明している。この考えは、最近では4月のアジア・アフリカ会議での総理の演説において、世界に向けて明確に発信され、戦後60年にあたる8月には、総理の談話として発表された。

投稿: ナミ | 2006年4月18日 (火) 19時30分

かものはし様
 庶民出身の、大日本帝国陸軍二等兵に、銃剣で突き殺されるアジアの人々。エノラ・ゲイの爆撃手が投下装置を押すことで、一瞬のうちに蒸発してしまった何万もの日本人。兵士による非戦闘員殺戮としてはどちらも国際法違反です。また、その悲惨さに変わりありません。広島・長崎をある意味で特権化してはならないと思います。それは、「日本素晴らしい論」とは裏返しの「日本かわいそう論」に陥ってしまいます。

投稿: renqing | 2005年11月25日 (金) 09時31分

ヒロシマ・ナガサキに原爆を落としたアメリカは許しがたい人類への戦争犯罪だろう。数分の間に10万人もの人が殺されたのだから。だが そんな原爆を落とさせる原因をつくった日本にもそれに違わぬ戦争責任がある。原爆が日本に落ちたことを知ったアジア人が喜んだいうことはそれほど過酷な悲惨な被害をアジアの人々にしたしていたということだろう。

投稿: かものはし | 2005年11月25日 (金) 08時55分

そうですね。二度と戦争をしないと誓ってはいないコイズミなのに 自ら何回もことあるごとに白昼堂々 そこかしこで 不戦の誓い等と大嘘をつきまくっていますね。もう戦争そのもの
が悪であるのにおそらくコイズミはそんなことは歯牙にもかけていないでしょう。それをどうしてみぬけないのでしょうか。

投稿: かものはし | 2005年11月23日 (水) 21時08分

かものはし様
 コメントありがとうございます。
 私の祖母は、先の戦争で、米国陸軍の火炎放射器で焼き殺されました。麻生氏はあの戦争で、日本に理があると思っているらしい。で、あの戦争で米国は日本の敵だった。
 ならば、私の祖母を焼き殺した米国を告発してもらいたい。が、自民議員だから、日米協調なんでしょう。
 かつての、敵国、米国は大好きだけど、中国は大嫌いという人は、考えてもらいたい。日本人の非戦闘員が、米国兵と中国兵のどちらに多く殺されたか。
 麻生氏や小泉氏の頭の中を見てみたいですね。多分、配線(=敗戦)がこんがらがってるんでしょう。

投稿: renqing | 2005年11月23日 (水) 20時20分

戦争のきたない面、市民虐殺、強姦、略奪や権力者の兵役のがれ、不法利得そして言論封殺、環境破壊などなどを一切伝えないだけで「戦争美化」になるのです。真実など伝えてなどいませんね。

投稿: ましま | 2005年11月23日 (水) 20時12分

実際に観たことはないのだが NHKで 全国民いや全アジアにその内容放映してほしい。ついでにソウルや北京の記念館も。しかし 自主憲法・靖国参拝の麻生のことだ結局 歴史認識の違いですね あなたは偏向していますねで こちらが斬られてチョンできるとおもてるでしょうね。こまった。

投稿: かものはし | 2005年11月23日 (水) 19時35分

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