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2005年11月26日 (土)

なぜ米国は平然と他国を侵略できるか?

 その理由の一端が、‘Manifest Destiny’ という言葉にあります。

 これは、John O'Sullivan(1813‐95)なるジャーナリストが、《United States Magazine and Democratic Review》誌の1845年7月号に発表した《Annexation 併合》と題する論文で使った語です。以下、その一節を引用します。ただし、原文はダラダラ、延々と1文を6行に渡って書いているため、引用は、Manifest Destiny が出てくる一部に限定します。

“our manifest destiny to overspread the continent allotted by Providence for the free development of our yearly multiplying millions.”

「年々増加する幾百万の我が同胞の自由の発展のために、神意によって与えられたこの大陸を我々が覆い尽くすという、我々の明白なる運命」

 時は、オレゴン領有をめぐるイギリスとの紛争が勃発していた頃。ですから、この記事そのものはそれをサポートする論説ですが、実際はそれ以上に、当時の米国民を熱くしていた、西へのフロンティア膨張の熱狂を代弁し、倫理的に正当化したことが決定的に重要です。

 《現代のローマ帝国》を建設するのだということは米国の建国の父たちも意識していましたが、そこに庶民にも納得できる《言葉》をドンピシャで提供 したのが Manifest Destiny だったわけです。この言葉の発明以降、米国の帝国主義的行動を陰に陽に支えていく言葉となります。

参考
1)平凡社世界大百科事典最新版「マニフェスト・デスティニー」の項。清水知久氏執筆。簡便で見通しのよい日本語文献。
2)“Manifest Destiny
From Wikipedia, the free encyclopedia.
さすがに非常に詳しい。
3)John O'Sullivan, "Annexation," United States Magazine and Democratic Review 17, no.1 (July-August 1845): 5-10
まさに、その当該資料。第一次文献。

4)当blog記事、朝鮮人を甘やかすな、も参照されたし。(2008.10.01追記)

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