米兵による治外法権下にある大日本国(追記2006/1/3)
昨日も、↓のような事件があり、米兵の日本での治外法権ぶりに
どうにもこうにも腹が立つ年の瀬です。
日米地位協定合意議事録
第十七条
( )( 3 a ii)に関し、
合衆国軍隊の構成員又は軍属が起訴された場合において、その起訴された罪がもし被告人により犯されたとするならば、その罪が公務執行中の作為又は不作為から生じたものである旨を記載した証明書でその指揮官又は指揮官に代わるべき者が発行したものは、反証のない限り、刑事手続のいかなる段階においてもその事実の十分な証拠資料となる。前項の陳述は、いかなる意味においても、日本国の刑事訴訟法第三百十八条を害するものと解釈してはならない。**
**日米地位協定(外務省による解説サイト)より。「刑訴法を害しない」とあるが、米兵を駐留国の法体系の外に置くことが企図されているのは明瞭だろう。現に上記事件がそうなのだから。
***この「日米地位協定」については、下記 blog のシリーズ記事を参照。
日米地位協定と沖縄 1(~5)
*上記記事は、いずれリンクが切れるので、元記事を念のため貼り付けておく。
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東京都八王子市で米軍厚木基地(神奈川県)所属の女性水兵(23)がひき逃げの容疑で警視庁に逮捕されていたことが分かった。小学生の男児3人が重軽傷を負ったが、「公務中」を理由に日米地位協定などに基づき、即日釈放された。
八王子署の調べでは、今月22日午後1時ごろ、同市大谷町の国道交差点で、横断歩道を渡っていた小学3年の男児3人がワゴン車にはねられた。1人が肩の骨を折る重傷を負い、2人は軽傷だった。
車はそのまま逃走したが、同署員が現場から約1キロ離れた路上で、停車している米軍公用のワゴン車を発見。運転席の米兵がひき逃げを認めたため、業務上過
失致傷と道交法違反(ひき逃げ)容疑で緊急逮捕した。逮捕後、米軍から「備品を取るために厚木基地から横田基地(東京都)へ行く途中だった」との内容の公
務証明書が送られてきたため、同署は米兵を釈放した。
同署は任意捜査を続け、米兵を書類送検する方針だが、米軍が裁判権を放棄しない限り軍法会議にかけられる。【永井大介】
<日米地位協定>
日米安保条約に基づいて、在日米軍人・軍属の日本での法的地位を定めた協定で、1960年に締結。米兵の公務執行中の犯罪などについては米軍当局が裁判権
を行使する優先権などが規定されている。刑事特別法では警察当局は容疑者を米軍側に引き渡さなければならないことなどや、昨年の沖縄で起きた米軍ヘリ墜落
では県警の現場検証もできず、見直し論が再燃している。
(毎日新聞) - 12月29日1時40分更新
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コメント
どうでしょう? まあ、石原氏の反米も、見掛け倒しのファッションですからね。本当にヤバイ時はダンマリじゃないんでしょうか。
投稿: renqing | 2006年1月 6日 (金) 03時31分
リンク、ありがとうございました。
これだけ、植民地然とした あつかいをされても、日本人の反応は、にぶいという ひとことに つきますね。
ところで、石原都知事は、なにか いさましい反応をかえしたのでしょうか?
投稿: ハラナ・タカマサ | 2006年1月 4日 (水) 14時24分
takeyan さん、どうも。基地をかかえる自治体は、この50年間、常にこの危険と隣り合わせでした。犯罪を犯した米兵は、たいてい本国に送還されておしまいです。米国のこの態度は、対国際社会においても同じ。米国は、《国際刑事裁判所設立のためのローマ条約》を署名、批准してません。無論、日本もそうですが。これは、海外派兵されている米兵が米国外の国家から、戦争犯罪で訴追されることを米国が拒否するからに他なりません。ほとんど、ならず者です。
投稿: renqing | 2006年1月 3日 (火) 01時41分
安保を守る(=核武装しない)ためには、この点の改善は必須だと思います。
核武装の是非はさておき、ですが。
投稿: takeyan | 2006年1月 3日 (火) 01時01分
↓出所不明の引用ばっかりで、なにが言いたいのかさっぱり分からんなあ。
投稿: 松本和志 | 2005年12月29日 (木) 17時14分
・満州事変の勃発を説明するときは、教科書本文に従って解説するが、加えてスライドやビデオを活用して、直感的な教育を強化するのが望ましい。本課の内容は愛国主義教育を行ううえで最もよい題材であり、思想教育が予期された目的を達成するために、授業に臨むときには教師自身が、日本帝国主義を心より恨み、蒋介石の無抵抗を心より恨み、国土の喪失を悲しみ、憂国憂民の感情を心に持たなければならない。(中略)その際、教室の雰囲気に気を配って、思想教育の実質的効果が上がるように心がけなければならない。(45ページ)
・授業では「12.9運動に参加する学生デモ隊と軍・警察との格闘図」と「北京大学生のデモ隊図」を参照し(中略)、教師は努めて生き生きとした、かつ深い思い入れた言葉をもって説明を行い、生徒の愛国の激情を激発すること。(55ページ)
・日本の侵略者は中国人民に対して巨悪を犯した。教師は教科書中の「日本の石井部隊が被害者の死体を焼却した”焼人炉”」と、「日本の侵略者が生きた中国人を用いて行った細菌実験」の二枚の画像を組み合わせ、生徒の思いを刺激して、日本帝国主義の中国侵略の罪状に対して強い恨みを抱くように仕向けるべきである。(89ページ)
・授業を組み合わせて、課外の時間に社会調査・参観訪問などの活動を行うことで、歴史の授業を通じて生徒達に思想教育を行うというこのメリットを、十分に活用することが望まれる。(110ページ)
投稿: k | 2005年12月29日 (木) 09時16分