かまやつひろし「どうにかなるさ」とそっくりのカントリーの名曲
深夜、車で家路を急いでいた。別に待つ者もいないのだから急ぐ必要もないのだが、そこはそれ、「あ~ぁ、遅くなっちまったよぉ」などと大声で喚(わめ)きつつ、己の塒(ねぐら)に向かうときは、ひとは急ぐ心理になるものなのだ。
こういうときは、CDを聞くか、ラジオと相場が決まっている。とりあえず某国営放送ラジオにあわせた。するとなにやらにぎやかな唄が流れてくる。歌詞の内容は失恋ばかりなのに、曲調は妙に明るい。深夜時間帯に放送する「カントリー・クラシックス」とか言う番組で、その賑やかな曲とはカントリー & ウェスタン、だったわけだ。
その日の特集は、ハンク・ウィリアムスだった。なんて言ってもこの私が知るわけがない。何曲か聴いた事があるようなないような、といった調子で聞いていると、「グッバイジョー~♪」と流れてきた。おお、これなら私でも知っている、あのカーペンターズのヒット曲「ジャンバラヤ」ではないか。そうか、あれはこの曲のカバーだったのね、などと暢気に独り言を吐きながら感心していると、なにやら聞いたことがある曲。しかしよく似てはいるが、私の知っている曲とはやはり異なる。
曲が終わり、女性アナウンサーが、「ハンク・ウィリアムスの淋しき口笛でした。いえ、どうして私は間違えるんでしょう。淋しき汽笛、"Lonesome Whistle"でした。」、と慌てて訂正していた。ま、そうだろう。題名だけなら、美空ひばりが唄っていた「悲しき口笛」と勘違いしそうだもんね。
で、私がこの Hank Williams "Lonesome Whistle"(1951)とかなり似ていると思ったのは、かまやつひろし "どうにかなるさ"(1970)だった。部分が似ているというより、曲の結構が良く似ているのだ。Hank Williamsのは、カラッと明るい長調。かまやつひろしのは自己韜晦と哀調がない交ぜになっていて短調と感じるが、とにかく似ている。いわゆるパクリ?とも考えたが、はっきり言って、ま、そうかもね。皆様もご自分の耳で確かめてください。
追記 某国営ラジオさん、念のため、確認しようとそちらのサイトに行ったら、「バンク・ウィリアムス集」とありましたよ。ハンクとバンクじゃ、全然違うのでHPに上げるときは、校正をよろしくお願いしますね。
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コメント
すいません
しまる記事TBいただきました。
投稿: ブショウ | 2005年12月26日 (月) 21時45分