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2006年1月19日 (木)

18世紀の「社会主義者」(2)

デジンクは実際には、シャーフツベリについて、また社会の大義に対するかれの熱狂について、なにも知らなかったが、かれの「社会主義者」という言葉は、ま さにあの思想潮流、つまり現世的道徳的概念に転化してイギリスの哲学者と理神論者にその表現を見い出した思想潮流を示していた。その同じ言葉は、ラテン語 からイタリア語へ変わり、ベッカーリアに関して、1765年に、はじめて使われた。それはもはや単に、社交性を人間のなかのひとつの構成的かつ根源的要素 と考える人のことをいうのではなかった。それは当然のこととして、自由・平等な人間の社会を欲し、ルソーから示唆をうけていた著作家を意味するようになっ た。
F.ヴェントゥーリ『啓蒙のユートピアと改革』みすず書房1981年 、p.157

 今回と前回の記事の中で、ベッカーリアに関することは、ヴェントゥーリ自身の研究に基づきますが、「社会主義者」をラテン語にまで遡及し発見したのは、下記書籍の業績です。

Muller, Hans.
Ursprung und Geschichte des Wortes Sozialismus und seiner Verwandten.
Hannover, J. H. W. Dietz Nachf.
1967.

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