18世紀の「社会主義者」(1)
・・・「社会主義者」という言葉は、最初はラテン語で、それから急速にイタリア語で世紀半ば(18世紀のこと:引用者 注)頃に、はじめて使われた。それは、プッフェンドルフやカンバーランドに由来する自然法の流れを示すために、ドイツ人のベネディクト派のアンセルム・デ ジンクによって、はじめて使われ たように思われる。この流れは人間の社会的本能を意味するソキアリタスを、あらゆる自然法の真の基礎にすえたのである。このカトリックの論争家によれば、 これらの思想家、これらの「社会主義者」は結局、あらゆる宗教的要素を自分たちの社会観から一掃し、あらゆる人間の行為をもっぱら社会という観点から考察 し、啓示、宗教、教会を無視してしまっていた。彼はこれによって、「社会主義者」が「自然主義者」あるいはホッブズ主義者にさえ、類似すると信じてい た。・・・
F.ヴェントゥーリ『啓蒙のユートピアと改革』みすず書房1981年、p.156
下記も参照を請う。
18世紀の「社会主義者」(2)
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