米国が日米安保条約を破棄する日
まず、下記記事の下線部(引用者による)に注目。
【コラム】日本よアジアに帰れ(中央日報オピニオン)
〔引用開始〕
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ベテラン外交官出身である日本首席代表は韓国と中国が日本の安保理進出
をいくら反対しても日本は予定通り安保理常任理事国になると言い切った。 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
ココ↑
アフリカ多数国家と米国の支持を信じたようだ。脱亜にとどまっても、世界の指導国になることができるという態度だった。
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〔引用終了〕
さて、引用の下線部をよく覚えておきましょう。
で、結局どうなったか。日本がドイツ、インド、ブラジルと組んで提出した安保理拡大の「枠組み決議案」(G4案)に反対が強く、採決を見送ってしまったのです。
小泉氏および外務省の最大の誤算は、あの米国が反対に回ったことです。何のことはない、米中の国連大使が共闘してG4案を潰した。口(くち)アングリ状態。
ある意味で、日本頭越しのニクソン訪中に匹敵する、戦後日本外交の最大の失態です。にもかかわらず、この問題で政府首脳、外務官僚で責任をとったものは皆無。
野党も頭が悪過ぎるのか、衆院選という格好の舞台で責任を追及するわけでもない。新聞・マスコミもてんから触れない。なんなんだぁ、と叫びたくなりますね。
このことから帰結されるのは、日米安全保障条約が米国側から破棄される蓋然性は決して低くない、ということです。困ったことに、米国の国家理性は「日本国」ほどには、まだとち狂ってない。東アジアにおけるパートナーは中国のほうが長期的に米国の利益であると判断し、中国とのアライアンスを求め、中国がその見返りに、日米安保破棄を要求したら、《米国から》破棄の通告をしてくるでしょう。
逆に、そういう自らに不都合なものでも、可能性としての外交シナリオを考えるのがエリートの強靭な知性です。ま、小泉氏もその取り巻き官僚も、柔(やわ)な知能しか持ち合わせがないようなので、見たくない想定から逃げるでしょうが。哀れなのは、その程度の手合いをエリートとして崇め奉らされているニッポン人です。悲しい。
*以下も、参照戴ければ幸甚。
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