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2006年2月27日 (月)

中高生が考えた新事業 発表会

 というニュースが、NHKで流れた。下記↓

「この発表会は、大手企業7社で作る実行委員会などが開いたもので、関東と関西地区を中心に、高校生と中学生およそ500人が参加しました。生徒たちには、企業7社から、あらかじめテーマが出されており、参加者たちは、それぞれが総合的な学習の時間などで練り上げた事業計画を順番に説明しました。このうち、埼玉県の高校のチームは、「夢を与える航空会社」というテーマで、飛行機内で披露宴を行う新しいウェディングプランを提案しました。また、自動車メーカーからの課題に取り組んだ千葉県の高校のチームは、新車の販売促進策として、免許を持っていない若者を対象に免許の取得と新車の販売を組み合わせた事業を発表しました。参加した生徒の1人は、「事業を考えるのに苦労したが、企業の人から話が聞け、非常にためになった」と話していました。現在、全国のおよそ80の高校と中学校でこうした学習が行われているということで、テーマを出した自動車メーカーの担当者は「若いころから自分で課題を見つけて考える習慣が身につけば、企業に入って大きな力になる」と話していました。」    02/25 20:53

 あのさ、《総合的な学習の時間》って、単に、中高生の頃から、企業戦士予備軍を作るものだったの? 飛行機内で披露宴を行う新しいウェディングプランや新車の販売促進策を考えさせるためのものだったの?

 おいおい、何か勘違いしてやしないか。子供に教えるべき事柄には、優先順位があるだろう。物事の善し悪しを大人が子供に教えず、「どうやれば儲かるか」を教えるのか? いつも、ビジネスの種を考えている中高生ばかりになったら、社会はどうなる? ビジネスに乗らないが、人間にとって、特に中高生にとって大切なことは、ビジネスの百倍はあるだろう。

 ビジネスやイノベーションについて教えることも全く悪いとは言えない。でも、それなら、一人前の市民となるための、市民としての法や憲法の意味やその使い方を教えるのが先じゃないか。経済と絡めたいなら、悪徳商法の被害にあわないように法的な対抗手段を教えるほうが、よほどよい賢い消費者教育、兼、法教育だろう。学校内で密かに行われている体罰を根絶し、子供の人権を守るために、少なくとも、学校教育法をしっかり教えるべきだろう(教育基本法を教えたほうがよいが、とりあえず)。

 この混乱は、大人社会の混乱の反映なのだろう。それは大人たちが正さねばならない。

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