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2006年2月28日 (火)

藤原正彦 『国家の品格』 新潮新書 2005年(番外編/最終回)

 いわゆる「産業革命」(この語も、歴史学の上ではだいぶ怪しくなってきたが)で、高校世界史あたりに出てくる、ニューコメン(蒸気機関)、ワット(蒸気機関)、トレビシック(蒸気機関車)、スティーブンソン(蒸気機関車)、等は、職人、もしくは、技師であって、科学者ではない。そもそも、イギリス(他の西洋諸国も含めて)の大学は、牧師、法律家といった、社会統治に関わる専門家を養成するためにできているのであって、イギリスに工学部(らしき)ものが出現したのは19C.も終わりである。それも、明治のお雇いイギリス人ダイヤーが大陸諸国のような先進的工学教育を目指して設立した工学寮(後の東大工学部)の成功を、ダイヤーが母国に戻って喧伝してからなのだ。ひょっとすると、工学部の起源は日本かもしれない。たぶん、ドイツが先だと思うが。

 ちなみに、大学が支配者(エスタブリッシュメント)養成機関で、徹頭徹尾コンサバであったため、西洋の高等科学技術教育は結局大学の外で作られることになった。その嚆矢が1794年、大革命後のパリに設立されたエコール・ポリテクニク(理工科学校)である。

 話せば長いので、改めて別の記事シリーズでこの問題を論じよう。科学と技術の起源が異なることは、

E.トレルチ 『ルネサンスと宗教改革』岩波文庫

を一瞥、戴きたい。

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