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2006年2月11日 (土)

藤原正彦 『国家の品格』 新潮新書 2005年(4)

 J.ロックについては、極めて杜撰(ずさん)な、引用でもない紹介でもない、書き方をしているので、これには要注意。

 まずは、藤原氏の文章から。

p.69
 ロックというのは、大物中の大物思想家です。・・・。著書中に「人間は生まれながらにして完全な自由をもつ。人間はすべて平等であり、他の誰からも制約をうけない」とも記しました。

 これは、引用でしょうか、内容紹介でしょうか。「」で示しているところを見ると、引用らしいですが、引用なら、しっかりその通り原文を引くべきでしょう。翻訳書中でもそうですし、藤原氏が自分で日本語訳された場合でも同じです。

 これから、

John Locke, Two Treatises of Government, London, 1698

から、藤原氏が《引用》されているらしい箇所を引こうと思いますが、時間がないので次回に。

 藤原氏の書中の上記一文で、J.ロックのことが分かったつもりの方は、次回の記事にしっかり目を通して下さい。藤原氏がいかに、いい加減、テキ トーで、信用ならない著作家であるかがわかります。つまり、自分が単なる、軽信家、ないし、癒やされたくて仕方がない日本人だという証拠です。気をつけま しょう。

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コメント

松本さん 亀レスです。東京書籍の中学校社会科公民教科書を見ましたら、“ゆとり”教育の成果か、ロックが何を言ったか、などということさえも省いてありました。ですから、ご指摘のように、ウン十年前の中学校社会科の知識を保持しているのでしょう。その記憶力についてのみ賞賛に値します、《三つ子の魂百まで》ということで。でも、官立大学教授のご身分で書くことじゃぁないですよね。

投稿: renqing | 2006年2月20日 (月) 01時58分

「人間は生まれながらにして完全な自由をもつ。人間はすべて平等であり、他の誰からも制約をうけない」

 これは中学社会の公民教科書によくある「人権」の説明ですね。藤原氏は理系だし、おそらく高校以前に身に付けた知識をそのまま開陳してるんだろうと思います。

投稿: 松本和志 | 2006年2月15日 (水) 10時45分

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