論理と因果(1)
今、ちょっとした話題の本を読みかけている。某(元?)数学者の本だ。
しかし、何かおかしい。彼は数学者なので論理の専門家だ。で、その彼自身が、論理だけでは世界は破綻する、という。ま、それはそれでもよい。ただ、彼が非難してやまない「論理」には、どうも異なるものが混在しているようだ。
それは、この標題の「論理」と「因果」だ。彼の挙げる数学の証明などは、確かに正誤を確定できる普通の論理。一方の例の「春風が吹けば桶屋がもうかる」というのは、これは因果関係であり、時間の前後関係に着目している。この二つは、全く別種の概念枠組なのだ。
実は、数学では、因果関係は扱えない。それは、集合におけるベン図を考えればわかる。この場合、ある言明の正誤は、「含まれる」か「含まれない か」で判定できる。つまり、空間的な考え方である。もっとも、時間を変数 t として、微分方程式である現象を記述したりもする。しかし、これはあくまでも関数という、複数の変数間の対応関係を記述したものに過ぎず、因果関係を記述 したものでははない。いわゆる便法なのだ。極めて便利かつ強力な便法には違いないが。
この項、記述が熟してないので、再度、書く予定。本日は、備忘録代わり。忘れっぽいので。(-_-;
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コメント
アタマの整理がついていないんですが、等加速度運動の記述とか、「運動状態」の近似的な数式化という意味では、時間経過をモデル化しているとおもうんです。そこに、「じゃ、因-果っていうときの、真の動因・要素を特定してみい」といわれたら、引力だとか、初速をあたえた「力」とか、なにやら、しどろもどろになることは、わかります。
しかし、ベン図やら図形やら、もともと時間が介在しない領域をもちだすのは、ズレているような気がします。
経済学にしろ気象学にしろ、因果関係に介在する要因がおおすぎるものは、「実験室」におさまらないし、結局「予測」には失敗しつづけるんですけど、それでも、不完全ながら、時間軸にそった因果関係を記述しようと、せまっているとおもわれます。
もちろん、くだんの数学者先生とやらが、ご自分の専攻領域さえも、エッセイにいかせないという、破綻をしめした具体例であることは、否定いたしませんけど。
投稿: ハラナ・タカマサ | 2006年2月 5日 (日) 00時53分
どーも。週末に読了し、改めて書評を載せるつもりです。ご期待ください。(^^v
投稿: renqing | 2006年2月 4日 (土) 01時29分
私は、一般的に数学者の文章が好きです。
しかし、ご言及の人物の本は何冊か目を通しましたが、この人だけは、どうしてもつまらないと感じておりました。
次回作期待します。(ご多忙で無い折にでも)
投稿: 足踏堂 | 2006年2月 2日 (木) 19時19分