大虐殺(1960年、小森白監督、天地茂主演)
標題の映画は、1923年9月1日の関東大震災の直後におこった朝鮮人虐殺事件を描いたもの。で、私もまだ未見。もし、既にご覧の方は、ご感想などコメントして戴けると助かります。下記の 「all cinema」記事も参照。
大虐殺(1960年、小森白監督、天地茂主演)
この事件の被害者数だが、平凡社世界大百科事典(「朝鮮人虐殺事件」今井清一執筆)によれば、
「朝鮮罹災同胞慰問班が10月末日までに調査し,これにもとづいて吉野作造がまとめたものでは2613人を数える。これにその後の調査をつけ加えたものは6433人に達している。」
という。うーん、実質的に一週間の出来事だから(なぜなら、9月7日あたりから、警察・軍は押さえにかかったから)、これは相当なものだ。
虐殺ということでは、映画「ホテル・ルワンダ」での虐殺事件も記憶に新しい。映画は未見だが、NHKのドキュメンタリーは見ているので概要は承知している。
どちらも、マス・メディア(朝鮮人虐殺は新聞、ルワンダはラジオ)がらみなのは共通か。
朝鮮人虐殺事件については、民衆が加担している事もあって、日本人自身による検証が進んでいない気もする。ただし、この事件を、衆議院で政府の責任を追及し,最も人道上悲しむべき大事件として、その真相を明らかにして謝罪することを主張した政治家もいた。
田淵豊吉 ( 「いちず」WWW版 和歌山 )
ルワンダについては、独立間もない、良き一時期を活写した、名著がある。
服部正也 『ルワンダ中央銀行総裁日記』 中公新書(No.290)、1972年
この本の後、何があって、あの大虐殺を生み出したのか。
日本近代史上、国内最初の虐殺は、戊辰戦争における、官軍による会津城下でのものだろう。これは、朝鮮人虐殺事件関連のみすず書房の資料集などに眼を通せたら、あわせて再論したい。
| 固定リンク
「大正」カテゴリの記事
- 徳川文明の消尽の後に(2009.03.22)
- 与謝野晶子「何故の出兵か」(1918年)(2008.12.25)
- 戦前の小選挙区制(2005.09.29)
- 宮沢誠一『明治維新の再創造』(2005年)(2005.05.16)
- 却初より(2007.11.05)
「日本」カテゴリの記事
- 徳川19世紀の二つのボーダーレス化(2009.05.25)
- 江戸のクラスアクション(集団訴訟)(2)(2009.07.02)
- 尾藤正英『日本文化の歴史』岩波書店2000年(参照、追記)(2007.03.25)
- 19世紀徳川公儀体制の黄昏(2009.06.18)
- 明治天皇の戦争責任(2006.01.17)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- モーツァルト vs. 美空ひばり(2007.01.04)
- 菅生浩『巣立つ日まで』ポプラ社(1974)(2005.10.13)
- 映画「アズールとアスマール Azur et Asmar」(2006年)(2007.08.18)
- 思い出したことども(2)(2006.11.02)
- 事実の重みに耐える(2008.04.07)
「書評・紹介」カテゴリの記事
- 尾藤正英『日本文化の歴史』岩波書店2000年(参照、追記)(2007.03.25)
- 「維新神話」とマルクス主義史学(1)(2007.05.23)
- 岡義武『山県有朋 -明治日本の象徴-』岩波新書1958(2)(2007.03.23)
- 井上勝生 『幕末・維新』シリーズ日本近現代史(1) 岩波新書(2006年) (2007.05.05)
- セコイアはいかにして水を100m以上持ち上げるか?(2008.06.01)
「朝鮮」カテゴリの記事
- 「日本は無資源国」はイデオロギーである(2008.11.26)
- ジャパニーズ・グラフィティ (2006.08.01)
- 近代日本の知識人について(1)(2006.06.01)
- 靖国神社「遊就館」についての麻生外務大臣の発言(2005.11.23)
- 虐げられた者の生き血をすすってのし上がった麻生一族(2005.11.24)
「近現代」カテゴリの記事
- 明治天皇の戦争責任(2006.01.17)
- 明治の立身出世主義の起源について(2006.11.29)
- 「資本主義」なる言葉(2005.05.08)
- 「日本は無資源国」はイデオロギーである(2008.11.26)
- 縮小に向かえ!?「自由貿易」(2)(2008.11.20)


コメント