‘グルジア’を身にまとうベッカム
実は、このネタ、旧聞に属してしまった。なぜなら、すでにイングランド代表のユニフォームは、イングランド国旗を模したものから、一時代前の赤を基調とものに変わったので。
で、何を言いたいかというと、その一つ旧いユニフォームのベースになっているイングランド国旗の意匠が、聖ジョージの旗印、白地に赤十字なのである。
聖ジョージとは、3~4世紀ごろのカッパドキア(今のトルコ)に実在した伝説的聖人で、ゲオルギウス Georgius のことである。彼は、ローマ帝国の軍人で、偶像崇拝を拒否したため、さまざまな拷問の末、殉教している。また、騎士、射手、農民、武具製造人、馬丁などの守護聖人としても広く愛され、美術作品では一般に、長めの髪をもつ若く美しい騎士として表象される。
ま、それがベッカムにぴったりと思うわけ。で、聖ジョージに由来するのが、グルジア共和国(英語表記 Republic of Georgia)である。自国語での表記は全く違うのだけど。
ということで、歴史に関する単なる薀蓄(うんちく)記事でした。
*この記事、ゲオルギウスのことは、平凡社世界大百科事典の井手木実の項目による。
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