ビリー・ボブ・ソーントン(Billy Bob Thornton)自らを語る
深夜、某国営放送にチャンネルをひねると、「アクターズ・スタジオ・インタビュー」っていう番組に鉢合せする事がたまにある。4月28日(金)深夜がそうだった。出演していたのは、あまり俳優という風貌には見えない中年男。名を、ビリー・ボブ・ソーントン(Billy Bob Thornton )というらしい。私の知らない人物だったので、もう消そうかとも思ったのだが、なんとも形容のしにくい笑顔が気になり、なぜか見続けてしまった。
ビリー・ボブ・ソーントンは、米国南部の貧しい白人家庭に生まれた。父親は教師兼、スポーツのコーチもしていたようだ。母親経由で、ネイティブ・アメリカンの血も引いているらしい。どうりで、アジア風の顔にも見えたわけだ。母親には透視能力(いわゆる千里眼?)があったらしく、彼自身はそれをそばで見続けいて、母親を信じて多くの人が相談に来たという。勉強は出来ないらしかった。それは彼が失読症であったことに起因しているようだ。同じ文章を人の何倍も読まないと意味が取れないらしい。彼自身、今ではそれが失読症だと認識している。それなら、どうやって台本をおぼえるのだろうか、とふと疑問に思うのだが、インタビューの後半で、脚本は一回しか読まず、あとは新鮮なイメージで役作りに取り組むのが彼の流儀だとか。
ハイスクール時代は、野球でメジャーも目指していて、キャンプにも参加したらしいが、怪我で断念。その後、ショービジネスでの成功を目指してLAへ移り住む。金が無くて栄養失調で入院騒ぎまでなったらしい。あるパーティーのボーイのバイトで、ビリー・ワイルダー(Billy Wilder)に会うことが出来、二つのことを教えられたという。「君は俳優をめざしているのか? でも、スターっていうルックスではないな。それなら、自分で、脚本、監督をして、自分が主演する映画を自分で作ればいい。とにかく、明日を信じることだ。」っていっていたような気がする。
ま、とにかく、このビリー・ワイルダーのアドバイスが後年いかされて、スリング・ブレイド Sling Blade (1996)へと結実する。
黒人女性初のアカデミー主演女優賞を得たハル・ベリー(Halle Berry)と共演した、チョコレート MONSTER'S BALL (2001)を巡っては、「父親は黒人差別主義者だったが、悪い人間ではなかった。今、この映画を見てくれれば、分かってくれたと思う。」と淡淡と言っていた。
対談を見ていたアクターズ・スタジオの学生達には、「夢を持ち続けろ。金があっても夢のない人間もいる。」と語りかけていた。このインタビュー当時は、アンジェリーナ・ジョリーとまだ夫婦だったとかで、アツアツの雰囲気だった。
あ、そうそう。「もののけ姫」の米国公開版には声優と参加している。天才と何とかは紙一重という。それに近いものを感じた。怪優というべし。
※1某国営放送の番組サイトは下記。
アクターズ・スタジオ・インタビュー 映画人たちが自らを語る
※2参照
Billy Bob transforms into Karl of SLINGBLADE, at time = 250 - YouTube
※3参照
僕はまだ夢をみてゐる。然し僕は失望しない。人は夢を見ることが出来る間は幸福である: 本に溺れたい
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