第二次朝鮮戦争の可能性
北朝鮮の、日本に対する安全保障上の脅威は、そのポンコツのミサイルや失敗した核実験による、ありもしない軍事上の脅威などではない。北が国家として崩壊する際に、まともに影響を受ける、地続きの国、中国・韓国の混乱が問題なのだ。
単純に、国家主義者たちの好きな経済力の指標の中の日本の対外輸出額でみると、国別ではまだ辛うじて米国が一位だが、地域別でみると、中国+台湾+香港+韓国、への輸出額は、米国一国の2倍である(2006年度通商白書参照)。で、この四カ国は、北朝鮮の国家崩壊で最もダメージを受ける国々なのである。また、日本海への北朝鮮からの大量のボートピープルの出現(日本政府は見殺しにするかも?)、北朝鮮から大量の通常兵器拡散・流出の可能性、等がすぐさま考えられる。
つまり、北の安保上の脅威とは、偏執的右翼マスコミや、頭の少し緩い与党幹部の言う「北が攻撃したら、危ないでしょ?」などということではなくて、北の国家崩壊の脅威なのである。
例えて言えば、自分の住んでいる隣にオンボロの化学工場があって、いつ爆発やら大火災が起きるか分からん、という危険に、「なら、自衛のための武器を準備しよう。バズーカ砲あたりなら安心できる。」と叫んでいるのが、この連中なのである。
で、中国、韓国が、自国の安全保障上のため自衛権の行使、もしくは人道上の名目で、軍事介入する可能性は否定できない。これが表題にいう「第二次朝鮮戦争」だ。
ただし、万が一、日本軍(=自衛隊)が北朝鮮の軍と一戦を交えるのなら、自分や自分の倅(せがれ)たちを真っ先に最前線に送ってね、安倍ちゃん。そこには、あなたの言う「美しい日本」のための「美しい死」が待っているから。そのときは、倅(せがれ)たちに、美しく呼びかけてください。「靖国で待ってる!!」。
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コメント
まつもとさん
>私の「虐殺」は関東大震災の二の舞にならないか、
>言動に踊らされて自警団が結成され・・・
うむ、ありえますね。今の段階ではまだ「共謀罪」法が成立してないことが不幸中の幸いです。これがあったなら、警察が「組織的《権力》犯罪」をやりかねません。「国家の品格」を問われる事態です。
投稿: renqing | 2006年10月18日 (水) 02時23分
私の「虐殺」は関東大震災の二の舞にならないか、ということです。政府が無策だと、不安を煽るような首相(たぶん言うだろう)の言動に踊らされて自警団が結成され・・・といった事態を心配してしまうわけです。その点で、中国はすでに鉄条網を国境線に敷設しつつあって、やや残酷ではあるけれども混乱を防ぐべく手を打ちつつあるようです。
もちろん、沖縄戦の繰り返しで北朝鮮軍の住民虐殺も心配されるところです。
投稿: まつもと | 2006年10月17日 (火) 17時05分
まつもとさん
転載OKです。さらに、今後でてくるかもしれない、北正規軍による北住民の虐殺が心配です。
投稿: renqing | 2006年10月17日 (火) 12時45分
>日本海への北朝鮮からの大量のボートピープルの出現(日本政府は見殺しにするかも?)、北朝鮮から大量の通常兵器拡散・流出の可能性、等がすぐさま考えられる。
またやっちゃうかもねー、虐殺。
あ、この記事を転載させていただいてもいいですか?
投稿: まつもと | 2006年10月17日 (火) 07時29分