人間を作っている〈樹〉がこれほど曲がっているのに、完全に真っ直ぐなものを作り出すことはできない
以前にも、数回この文章に触れた*。で、新刊いろいろ(by Fixing A Hole さん)で、カントの新訳のことを聞き、そう言えば書店に平積みになっていたな、と思い出した。そこで早速購入。これがそう。↓
カント『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』光文社古典新訳文庫(2006年)
そこに収められている、
「世界市民のという視点からみた普遍史の理念」p.31-67
中の、p.47、に表題の文章はある。
ドイツ語原文、および英語訳は、註記した過去記事2)に引いてあるので、興味のある方はご参照戴きたい。今回、仏語訳を見つけたので、本記事ではこれを貼り付けておこう。
"dans un bois aussi courbe que celui dont est fait l'homme, rien ne peut etre taille (gezimmert) qui soit tout a fait droit (ganz Gerades)."
Idee d'une histoire universelle au point de vue cosmopolitique
読書の醍醐味の一つは、お気に入りの一文を発見することであろう。この表題などはさしずめ、Isaiah Berlin*** にとっても、僭越ながら私にとってもそういうものだ。内田義彦は、これを「一句を自分で発見する」と言っている**。カント自身はこの句から離れているのではないかという疑念も強く残るが、一句自体は人間的真理をなにほどか穿っていると思わざるを得ない。
*
1)人間性、この曲がった木、(アンティゴネ2) 05/11/11
2)人間性、この曲がった木、の出所(1) 05/11/12
3)人間性、この曲がった木、の出所(2) 05/11/13
**内田義彦『社会認識の歩み』岩波新書(1971年)、p.68
この書については、別途に記事を試みる予定。
***Isaiah Berlinとこの句の因縁については*の3)を参照されたし。
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