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2006年12月31日 (日)

奇妙な果実、あるいは、ワクワク

「ボルヘスは書いていないが、私はさらに、この系列に属する植物の怪異として、中世のペルシア詩人の作品によってヨーロッパに伝えられた、支那海の果てにあるというワクワク島の伝説をも付け加えなければならないと思う。
 ワクワク島では、イチジクに似た植物の果実から、羊ではなくて、人間の若い娘が生じるのである。果実が熟すると、娘は完全な肉体を備えて、髪の毛で枝からぶら下がり、やがて熟し切ると、「ワクワク」という悲しげな叫び声をあげながら、枝から落ちて死んでしまう。哀切な童話的な幻想にみちた伝説と言ってよいだろう。
 私はイランに旅行したとき、薔薇の花の咲き乱れたイスパハンのホテルの中庭で、西瓜のように大きな、中身が黄色くて甘いメロンを食べたが、残念ながら、メロンの中から羊は飛び出してこなかった。」
『澁澤龍彦全集』河出書房新社(1994年)、第16巻所収、「幻想博物誌」中、「羊の物語」より

 この物語から一篇のアニメ映画が作れそうだ。挑戦する作家がいるとよいのだが。手塚治虫原作の『メトロポリス』(2001年)に登場するティマの記憶が不思議に甦る。

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