« 「こころ」は、heart か、mind か? | トップページ | 「こころ」は、heart か、mind か?(道草篇) »

2006年12月 1日 (金)

明治の立身出世主義の起源について(2)

「仰げば尊し」のフル・コーラスを、ご参考に。

文部省唱歌(一八八四(明治十七)年発行の「小学唱歌集第三編」)

一、
  仰げば尊し、わが師の恩。
  教の庭にも、はやいくとせ。
  おもえばいと疾し、このとし月。
  今こそわかれめ、いざさらば。

二、
  互いにむつみし、日ごろの恩。
  わかるる後にも、やよわするな。
  身をたて名をあげ、やよはげめよ。
  今こそわかれめ、いざさらば。
三、
  朝ゆうなれにし、まなびの窓。
  ほたるのともし火、つむ白雪。
  わするるまぞなき、ゆくとし月。
  今こそわかれめ、いざさらば。
(下線、renqing)

 明治の成功者たちは、皆、自らを「有志の人」(岩倉)、「人材登庸」(福沢)の「人材」、と確信していたようなので、己を国民の手本とすることも意図していただろうし、事実としてモデル視されていただろう。歴史におけるミメーシスの一例。

明治の立身出世主義の起源について(3)へ続く

〔補註〕下記も参照されたし。
明治の立身出世主義の起源について

|

« 「こころ」は、heart か、mind か? | トップページ | 「こころ」は、heart か、mind か?(道草篇) »

日本」カテゴリの記事

思想史(history of ideas)」カテゴリの記事

言葉」カテゴリの記事

幕末・明治維新」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 明治の立身出世主義の起源について(2):

« 「こころ」は、heart か、mind か? | トップページ | 「こころ」は、heart か、mind か?(道草篇) »