鎌倉紀行(3)-掃苔録篇-
なだらかな山肌に、段々畑様の墓所が拵えられている。その中腹あたり。そこが小林秀雄の墓だ。地味な花が手向けられている。敷地の入り口には「小林家」。奥には五輪塔。掘り込まれた仏は輪郭も定かでない。けれん味が身上だった鬼籍の御当主からすると、その落ち着いた風情はちょっと意外。好感が持てた。
立派だったのは、前田青邨筆塚。十三重塔である。立派過ぎて、絵師などという、いわばアウトカーストな稼業のものとしてはなんだかなぁ、という感じ。ま、(国立)東京藝術大学教授、文化勲章受章者、としては、本人がどうであれ、周辺にはあのように祭り上げたい人間は多数いたろう。ま、いいでしょう。
ということで、掃苔録篇は終わり。中世都市鎌倉、一望篇を書くつもりだが、いつのことになるやら。
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