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2007年7月11日 (水)

intuitionism 雑考

 intuitionism を巡って、いくつか記事を書いた。私がこの語を日本語で表記する際は、「直観主義」と記したが、戴いたコメントには、幾度か「直感主義」とあった。私は、自分の表記が正しいと思い込んでいたので、コメント氏が気付いてくれないかなぁ、と考えていた。

 しかし、例えば、Yahoo!辞書がソースとしている、プログレッシブ英和中辞典では、

intuition → 1 直観(力)、3 [U][C]《哲》直観;直観的知識;純粋直観.

となっているのに、一方、プログレッシブ和英中辞典では、

直感 → intuition、直感力|intuition; intuitive power

ともなっており、一概に私が正しいとは言えないようなのである。

 念のため、『岩波哲学・思想事典』で、intutionism を逆引きすると、少々妙なことになっていた。同じ言葉が学問領域によって、異なる日本語訳が与えられているのだ。

「直覚主義」intuitionism → 倫理学の基本概念である善は「直覚」によってしか捉えられないとする倫理理論。

 として、ムーア (George Edward Moore 1873-1956)の議論を引いている。また、

「直観主義」intuitionism → 自然数の直観を基礎に数学が構成されるべきであると考える現代数学の立場。

とあり、当blogの使用法は、後者にあたるわけだ。

 また、試みに、Stanford Encyclopedia of Philosophy で、intuitionismを逆引きすると、

Henry Sidgwick(1838-1900)

などが、数学上の intuitionism とは別にヒットする。異なる言語、および言語体系なのだから、一対一対応するわけがないのは当然だ。だが、英語で intuitionism を考察するときは、倫理学も数学基礎論も自然にその視野に入る可能性があるのに、日本語の「直覚主義」では倫理学のみ、「直観主義」では数学基礎論のみ、 というのも、いささか勿体ない気がするのだが・・・。ちなみに、intuition で引くと、Henri Bergson がヒットし、カントからの逆説的な影響を The method of intuition という項目で指摘していた。

〔注〕
 語源。上記プログレッシブ英和中辞典の記述によると、
[後ラテン語intuitiomacr (in-上に+tuemacrrimacr見る+-ION=直接に見る)
とのことなので、やはり、「直観主義」のほうが、より適切と思われる。

〔参照〕
物理法則に物理量は存在するか(3.1)

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