« 宇宙をかき混ぜちゃえ | トップページ | ♪あなたも私も犯罪者♪ »

2007年10月 4日 (木)

誰にも言えそうなことで、誰も言えなかったこと

「誰にも言えそうな事で、誰にも言えなかったことを言っているというのは、和泉式部の感性と知性とのしていることなのである。」
  窪田空穂 『窪田空穂歌文集』講談社文芸文庫(2005年)、「歌人和泉式部」より、P.147

 古典にほとんど疎い私だが、優れた読み手に教えられ、和泉式部の、そっとやり過ごすしかない悲しみに触れることができた。"What have I done?"とつぶやくマンスフィールド描く老女と相通ずるものがあると思う。

小式部内侍なくなりて、孫(うまご)どもの侍りけるを見てよみ侍りける
どどめ置きて誰をあはれと思ふらむ子は増さるらむ子は増さりけり

 産のために早世した娘は、この世に己が子とこの母を残して行ってしまった。娘は、己が子を哀れと思うか、この母を哀れと思うか。それは、己が子を哀れと思うだろう。私だってそうだったのだから。そしてこの母が今そうなのだから。

|

« 宇宙をかき混ぜちゃえ | トップページ | ♪あなたも私も犯罪者♪ »

フェミニズム・ジェンダー」カテゴリの記事

古代」カテゴリの記事

文学」カテゴリの記事

日本」カテゴリの記事

書評・紹介」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104369/16654825

この記事へのトラックバック一覧です: 誰にも言えそうなことで、誰も言えなかったこと:

« 宇宙をかき混ぜちゃえ | トップページ | ♪あなたも私も犯罪者♪ »