♪あなたも私も犯罪者♪
あまりにも常識ハズレ(少なくとも私の)な冤罪事件が10月10日、一つ決着した。関連記事を三つ挙げておく。↓
1)冤罪男性、再審で無罪判決=検察控訴せず確定-女性暴行誤認逮捕・富山地裁支部
10月10日15時31分配信 時事通信
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女性暴行事件で富山県警に誤認逮捕され、実刑判決を受け服役後に無実と判明した柳原浩さん(40)の再審判決公判が10日、富山地裁高岡支部で開かれ、藤田敏裁判長は「被告人が犯人でないことは明らか」と述べ無罪を言い渡した。検察側は控訴しないことを決め、逮捕から5年半かかって柳原さんの無罪が確定した。
藤田裁判長は、再審公判に提出された大津英一被告(52)=公判中=の調書や、事件現場に残された足跡に関する資料などの証拠から、柳原さんが起訴された2事件について「各犯行の真犯人は大津被告と認められる」と認定した。
さらに、犯行時刻に柳原さんが自宅で電話をかけていたことを示す通信記録などから、アリバイが成立するとして、犯行を自白した柳原さんの供述調書は「信用性がないことは明らか」とした。
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2)2007/10/10-18:20 改めておわび=再審無罪判決受け-富山地検・県警
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富山県の女性暴行事件の再審公判で、富山地裁高岡支部が柳原浩さん(40)に無罪判決を言い渡したことを受け、富山地検の佐野仁志次席検事は10日、「改
めて柳原さんをはじめ家族、被害者など関係各方面に多大なご迷惑を掛け、おわびします。本件を肝に銘じ、今後、基本に忠実な捜査をさらに徹底し、再発防止
に努めます」とのコメントを発表した。
また、判決直後に控訴しないことを決めたことについては「早く(柳原さんの無罪を)確定させるため」と述べた。
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3)2007/08/10-12:50 自白の吟味不十分=長期身柄拘束是正も-捜査問題点全地検に通知・最高検
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鹿児島県議選買収事件の無罪判決や富山県女性暴行の冤罪(えんざい)事件について、調査を進めてきた最高検は10日、「捜査・公判活動の問題点」とする再
発防止策などを盛り込んだ検証結果を報告書にまとめ、全国の高検と地検に通知した。公表された報告書によると、警察が作成した自白調書などの証拠の吟味
や、地検幹部の指導が不十分なまま起訴したことなどを反省事項として挙げている。
検察庁が個別事件の調査・検証結果を公表するのは極めて異例。通知は最高検刑事部長名で出された。
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経緯については、↓を参照して欲しい。
事件の当日、事件発生時刻には、事件現場にいなかった。それが電話の交信記録から証明されていた。しかし、取り調べ警察官と担当検事、国選弁護人、担当裁判官も揃って、
「でも、そんなの関係ねェ。」
と唱和したとサ。
私も刑事法学者平野龍一に倣って言おう。
「わが国の刑事裁判はホントに絶望的である。」*
*引用は下記から。刑事裁判の実情についても。
真理とは何か(冤罪について)by 弁護士 Barl-Karthによる 2nd of Ramadan 日記
**医療過誤事件のように、法曹たちの専門家としての業務上過失を問えるのか。
ある女子大教授の つぶやき「冤罪事件」
***いい加減、同じ記事を使いまわすのは気が引けるが、ご参考まで。
日本国憲法は、1946年、すでに「改正」されている
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コメント
あきれ果てた冤罪事件ですね。こういうことがおきるのに、安易に「犯人を死刑に!」と煽り立てるメディアの神経を疑います。
投稿: 加齢御飯 | 2007年10月11日 (木) 21時07分