日本初期近代(徳川期)における「勤勉革命 Industrious Revolution 」(1)
■「勤勉革命 Industrious Revolution 」とはなにか
「江戸時代の農業生産力の上昇は、間作・裏作や二毛作による土地利用頻度の高度化という点ではイングランドに似ていたが、経営規模の縮小、家畜利用の減少という点では正反対の方向に向かっていた。労働節約的ではなく、牛馬の代わりに家族労働力を惜しみなく注ぎ込む、労働集約的な発展経路を進んだのである。
このような変化を速水融氏は「勤勉革命」(Industrious Revolution)と呼ぶ。密植に耐える水稲農耕が土地節約的農業を可能にしていたという生態学的な条件を前提にして、人口密度が高く、耕地・人口比率が低かったことが、土地利用の高度化と投下労働量の増大からなる労働集約的農業を生んだのである。産業革命 (Industrial revolurtion)の労働節約的な性格と対比させて「勤勉」を強調したのであるが、その内実は、長時間の激しい労働であった。」
鬼頭宏『文明としての江戸システム』日本の歴史19、講談社(2002年)、p.275
■ウェーバー・テーゼへの対抗仮説か?
「また日本においては、勤勉のエートスを支えたのは宗教ではなかったであろう。日本ではヨーロッパにおけるプロテスタンティズムに代わるものとして、儒教
が現世において合理的に適応しようする合理主義の源になったとか、あるいは石田梅岩の石門心学が、倹約・正直・勤勉を説く庶民の実践倫理として貢献したと
いわれることがある。しかし勤勉を植え付けた原動力は、自由な労働と市場経済の浸透にこそあったとみるべきであろう。それはヨーロッパについてもあてはま
るのである。アダム・スミスが『国富論』(諸国民の冨)において、「我々が食事にありつけるのは、肉屋やパン屋の慈善からではなく彼らが自分の利害に対していだく関心からである」と説き、それに続けて、博愛心ではなく、彼らの「自己愛」こそが人を仕事に駆り立てる原動力であると指摘したことを思い浮かべればよい。」
同上、p.276
プロテスタンティズムをめぐるウェーバー・テーゼへの理解には、いささか不安になるが、研究者レベルでさえこの程度のものだ、という見本のようなものと受け取ればよいだろう。
さて、上記の仮説をどう我々の立場から考えればよいのか。これについては次回とするが、キーワードは、「紀律化」「法人化」となる予定。
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『文明としての江戸システム(日本の歴史19)』 鬼頭宏 講談社 2002年 本書は歴史人口学が専門 [続きを読む]
受信: 2008年7月 9日 (水) 21時34分

コメント
あじあちっく さん、どーも、です。
よいですねぇ。
ついに、私のサイドバー・リンク集に入れさせて戴きました。っても、遥か下のほうなので、誰もそこまでスクロールして見てくれていないと思いますが。
投稿 renqing | 2008年7月10日 (木) 01時44分
気に入ってもらうとモチベーションがあがります。今日2曲追加しました。これからも、週1回程度は更新するつもりですので、時々覗いてみてください。
投稿 あじあちっく | 2008年7月 9日 (水) 21時29分
あじあちっく さん、どーも。
早速、拝見して、すぐ、「お気に入り」入れちゃいました。ありがとお、です。
投稿 renqing | 2008年7月 6日 (日) 02時59分
コメントどうもありがとうございます。すごく読みごたえのある内容ですね。ゆっくり読ませていただきます。最近わたしはYouTubeにはまってまして、ビデオクリップへのリンクでブログを作ってしまいました。いちど覗いてみて下さい。次のリンクです。
http://asiatique01.cocolog-nifty.com/blog/
投稿 あじあちっく | 2008年7月 5日 (土) 23時56分