セコイアはいかにして水を100m以上持ち上げるか?(2.1)
先の記事関連で、ネットで追加調査をすると、流体力学の専門家の論文がPDFで2編ほど見つかった。下記↓。
物理学者の手腕でこの問題にアプローチすると、前回記事の教科書的説明がいかにも緻密さに欠ける議論であることを悟るに至った。特に、1)での、
「 しかし、この負圧がそのまま水を運ぶ幹の導管にまで続いているのかというと、問題がある。先日、農工大の植物学の先生にお話を聞いたのであるが、導管は生きた細胞と違って、細胞内にあるような溶質を含まず、普通の水の運送だけが行われているということである。これを聞いた途端、私の既成観念はかなり変わった。水が細胞と導管の接続部を通るときには、上記と逆の現象が起き、正圧がそこに発生することになる。そうすると、維持されていた水の負圧はそこで帳消しになるか甚だしく減殺され、上向きに昇っていくことなどは期待できなくなる。」上記、PDF、p.2
という従来の浸透圧説にたいする疑問を読んで、通説の理論的脆弱性を思い知り、一方で物理学的アプローチの鋭利さに感銘を受けた次第。
素人としては、この話題、これ以上取り上げることは無用と思うので、ここで終了とする。
【追記】素人の思い付きを一点。
水は、地球上に存在する物質として最も奇妙なものの一つだ。その有名な分子構造はいかにも単純そうなのに、その物性を知れば知るほど特異な性質を持っている。だから、ひょっとして、道管のような極端に細く、長い形状の中で、あるいは、植物のもつ微弱なイオン的・電気的特性を付加されることで、現在あまり知られていない物性を、植物生体内では示していて、それがこの問題と関わっている可能性もあるような気がする。
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