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2008年9月30日 (火)

先進国サイテーの最低賃金JAPAN

 日本のマスコミは地道な調査報道をしない。特に、国際的に比較した日本の実態の、調査報道を記事にすることはあまりない。したがって、表題のようなことはほとんどの有権者は知らないだろう。総選挙前に一言する次第である。

 データは、いつもお世話になっている、社会実情データ図録 Honkawa Data Tribune、さんである。本当に素晴らしいサイトだ。個人で運営していることを考えれば、Wikipedia に匹敵するか、それ以上かも知れない。皆さん、暇なときは是非訪れましょう。あなたの蒙(もう)を啓(ひら)きます。

図録▽最低賃金の国際比較(from 社会実情データ図録 Honkawa Data Tribune)

 日本の法定最低賃金のサイテーぶりは、本川氏の解説記事を読まれれば、一読了解だろう。とにかく、先進国サイテーなのだ。こういうことが、ワーキング・プアやネットカフェ難民問題の背景にある。

 日本経済の有効需要不足の解消(つまり景気の回復)にすぐ効果があるのは、この法定最低賃金を引き上げること、そして、法定有給休暇の労働者の取得を使用者側の義務とし罰則を設けることだ。懐が多少暖かくなり、暇になれば、人間必ず金を使うもの。したがって、逆に、大企業の従業員は所得が多くても、それ を使う暇がないのだから、それからしても有効需要増加にかなりプラスに作用しよう。

 それでは中小零細企業は立ち行かなくなるって? それなら、労働生産性をあげることに頭を使いましょう、社長さん。つまり、日本経済における大企業とそれ以 外の労働生産性の格差の原因の一つは、低い労働生産性を許容する法制度の問題があり、それが下請け問題の根っこにもあるということなのである。「地獄への道は、善意の煉瓦で舗装されている」。一見正しそうな議論でも、その整合性をしっかり検討することが肝要だろう。

※パートタイム賃金国際比較も追加
地域別最低賃金の全国一覧
図録▽パートタイム賃金の国際比較

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