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2010年4月 4日 (日)

CL Arsenal 2-2 Barcelona(遅ればせの寸評)

 改めて、3月31日のゲーム↓を見た。

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■バルサが勝てるゲームを逃す

 UEFA 公式サイトのデータをグラフにしたものが下記(付記すれば、BBCのマッチレポートデータと比較するとBBCのほうが若干バルサ優勢の数値になっ ている)。

Image001_6

 これは前後半あわせてのものだから、前半は上のグラフよりバルサが上回っていて、後半は若干アーセナルが盛り返しているということになるのだろ う。

 データからは、バルサがこのゲームをほぼ支配していたにも関わらず、アーセナルが辛うじてドローに持ち込んだ、と読める。

■バルサの波状攻撃

 キックオフはアーセナル・ボールで、1分間はアーセナルがボールキープ。ディアビが左サイドを攻め上がり、ゴール前に詰めているベントナーにクロ スボールを送るが、合わずマクスウェルが難なくヘッドでクリア。ボールは右サイドラインを割る。アルシャービンがスローイン。サーニャが受けると、ケイタ が詰め、中盤の底、ソングに回す。すぐシャビが迫り、ソングは中央のディアビにパス。ディアビはセスクにショートパスをつなぐつもりだったが、ブスケツが インターセプト、そのままシャビの足元へ。シャビはメッシにショートパスでボールを預ける。自陣センターサークル付近でボールを受けたメッシは、アプロー チしてくるソングをワンタッチでかわし、ドリブル開始。ボールを取られたディアビはメッシを追うが振り切られる。

 このショートカウンターでバルサの波状攻撃が始まる。アーセナル陣内30m付近からメッシは右のペドロにいったんボールをはたく。このとき、ゲー ム開始まだ1分の時点。アーセナルDFはまだラインを作れていないが、4人戻ってはいる。バルサは右からボールをキープしているペドロ。その左にイブラ。 センター付近に、ペドロにボールをはたいたメッシが走りこんでいる。DF4対FW3。ただ如何せん、DFが自陣ゴールに向かって走っているので、体勢的に はアーセナル不利。イブラは左SBのクリシーとCBギャラスの間を抜けるようにして、右サイドペナルティライン上に出て、ペドロからパスを受け、すぐさま アーセナルゴールへ体を向ける。そのイブラにクリシーがアプローチ。この時点でアーセナルの守備網もできつつあり、ペナルティエリア内には、アーセナル6 人。ただし、既にバルサの攻撃陣もイブラ以外に4人待機中。アーセナルの守備陣はイブラに注意が行き過ぎ、ゴール正面はサーニャ、フェルマーレンの2枚に 対し、バルサはペドロ、メッシ、シャビ、ケイタの4枚。非常に危険なエリアで数的不利を作ってしまっていた。

 クリシーとの1対1の局面で、イブラは左足に体重をかけ、すぐ切り返し、ゴールラインが側に走り、パスもしくはシュートコースを作り、右足で シュート気味のグラウンダーのパスを中央に入れる(ていうか、シュートかな)。ペドロが触れず、シャビも届かず、フェルマーレンによってクリアされる。普 通に速いパスを送れば、ペドロかシャビのワンタッチでゴールだったはず。また、角度は無かったがイブラなら枠に行くシュートを打つ技術はあったろうから、 それでもよかった。おそらく、キーバーははじくだけで精一杯で、こぼれたボールをペドロ、シャビ、メッシのいずれかがゴールを決めていた可能性は高い。こ こで点が入らなかったのはイブラに責任だろう。

 そしてこれがバルサにとってけちのつけ始めで、バルサはここから6、7分間シュートの雨を降らせるが、1点も入らないという流れになる。ブスケツ が打っても、イブラが打っても、メッシが打っても、シャビが打っても入らなかった。イブラのファースト・アタックで1点入っていれば、ベンゲルも試合後 言っていたように、次々と3,4点入っていてもおかしくなく、そうなれば前半の早い時間で試合が決まっていたという感じがする。その意味で、このゲームに 勝ちきれなかったのは、あえて言うと、2点は入れたがイブラだろう。この攻撃の際、イブラには決定機が、最初の分も含めて、3度、オフサイドを取られた分 もいれれば4度あったから余計だ。

 バルサのこの連続攻撃は、まず個々の選手ボールキープ力が高く、簡単にボールを失わないこと、そのうえセカンドボールもことごとくバルサが拾った こと、などによる。

 逆に言うと、後半、ウォルコットに1点返された場面も、ブスケツがボールを失ったことが発端だった。ついでに。ウォルコットの快速は素晴らしかっ たが、それよりも、この得点は、あの体のでかい不器用そうな?ベントナーの素晴らしいスルーパスによることも付言しておこう。

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