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2010年4月17日 (土)

抱腹絶倒の速水融記念講義

 日本の歴代の歴史学者で欧米に最もその名を知られているのはおそらく、歴史人口学の速水融氏だろう。その速水氏が平成18年に、慶應義塾の創立150年記念事業として記念講義をしている。

慶應義塾創立150 年記念速水融名誉教授講義

 戦後の焼け跡頃から、研究者としてたって行くころまでのものが中心で、初期の、宮本常一や網野善彦との邂逅のエピソードも興味深い。なかでも面白いのは、彼が助教授になりたての頃や、慶應から若手学者としてヨーロッパ留学する際のエピソード。なにしろ時は1963年。まだまだ海外渡航が珍しく、かつ交通的にも不便なころ。若い速水氏は、「なんでも見てやろう」風に、留学先のポルトガルへ旅の途中、中東地域をぐるぐる回る。イラン、イラク、カスピ海、レバノン、シリア、エジプト。この破天荒な道行が、彼の学者としての人生に甚大な影響を与えたことを知ることができ、感慨深い。これを見ると、運を手繰り寄せるだけの強さを、一方でお持ちだということを感じる。

 ま、とにかく面白いので、是非一瞥されることをお薦めする。記念講義当日配布されたと思しきハンドアウト(資料)は下記。

慶應義塾創立150 年記念速水融名誉教授講義
「苦しかった講義、楽しかった講義、歴史人口学、勤勉革命、経済社会」

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コメント

miriyun 様

コメントありがとうございます。

「直接この講義を聴きたかった」

同じ感慨を持ちます。
速水氏は国際的な研究組織者としても
すぐれた手腕を発揮されています。
アイデア豊かな研究者であるばかりでなく、
人が彼の元に集まる、ご人徳をも
持っておられるのでしょう。

幸せな学者人生を歩まれた方ですね。

若者の海外旅行事情については全くの無知ですが、
海外で生活する日本人が私の身近にもいることを
思うと、存外、若者もタフなのではないでしょうか。

投稿: renqing | 2010年6月19日 (土) 01時04分

先日はお寄りいただきありがとうございました。
抱腹絶倒の速水融記念講義・・・気になるタイトルだったのですが、ようやく今日になって読んでみました。
 速水教授・・・おもしろいですね~、飛び込んでいく、何でも見てやろうという気概に共感を覚えます。直接この講義を聴きたかったなあとまでおもいました。
 吉村作治教授といい、このかたといい、気骨ある人のj型破りな海外行、とても楽しめます。
 いまは、海外に行くのを嫌がる学生が多いとききますがどうなんでしょう・・。

投稿: miriyun | 2010年6月18日 (金) 22時53分

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