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2010年7月11日 (日)

決勝予想: ESP 2 - 1 NED

■エースの不調

 フェルナンド・トーレスとファン・ペルシー。両エースともにかなりの不調である。ともに故障明けのため、本調子に程遠い。

 こういう時、問題となるのは監督の判断だ。エースの戦闘能力が100だとしても、今の調子から、その50%しか発揮できないのであれば、ゲームでの戦闘力は50に過ぎない。それならベンチを暖めている、コンディション100%の戦闘能力80のプレーヤーを使うべきだろう。

 この二人は全く持ち味が違う。フェルナンド・トーレスは万能型のストライカーだが、著しい特徴はその縦への瞬間的加速力だ。今大会ではこれが影を潜めている。

 典型的なのは、グループリーグのチリ戦。前半5分、スペインの左SBカプデビラの、トーレスをターゲットにした素晴らしいロングボールがチリ・ディフェンスラインの裏に出る。トーレスが走り込む。しかしチリDFがぎりぎりクリア。本調子のトーレスなら一歩は先んじてボールに触れ、どのような形であれゴールマウスを割っただろう。2008年のユーロ決勝戦のトーレスによる決勝点をご記憶であれば体の切れの違いに愕然とするはずだ。今大会、ゴール数0。

 一方のファン・ペルシーは、ゴール前に陣取り、相手DFを背負いながら、素晴らしいボディ・バランスとシュート・テクニックでゴールをねじ込むタイプ。今大会何度となく、ゴール前でパスを受けるのだが、決めきれていない。ファン・ペルシーの好調時のプレーを知りたければ、故障以前のアーセナルでのプレーを分析している過去記事(その②)をご参照いただきたい。それらと比べると、試合勘が戻ってないのは明らか。ゴール数1。

■監督の起用法

 スペインのデル・ボスケ監督は、すでに見切り、背番号9(フィルナンド・トーレス)を先発からはずした。オランダのファン・マルバイク監督は、いまだ背番号9(ファン・ペルシー)にこだわっている。

 この違いとディフェンス力はスペインが上回る点を勘案すると、スペイン2(ビジャ)-オランダ1(ロッペン)で、スペインの優勝と予想する。

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