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2010年12月22日 (水)

「番付」の世界観

 川北稔氏のイギリス近代史講義 (講談社現代新書) から受けた重要な示唆に、《表 table 》と成長パラノイアとの関連がある。

 そこで、日本近世史上でもこれに対応するものはないか、と頭をめぐらすと、「番付」がそれに相当しそうだと気付いた。いわゆる、「歌舞伎番付」や 「相撲番付」である。簡単に言うとランキング表だ。前者は17世紀後半から、後者はやはり17世紀末あたりから出回りだしたものらしい。しかし、江戸人の ランキング好きはこの《表 table 》のアイデアを放っておかなかった。18世紀から19世紀、徳川中期から後期にかけてpop culture が全盛を迎えるとありとあらゆるものに、これを模した「見立番付」が付けられる。長者番付、傾城(遊女)番付、儒者番付、俳諧番付、・・・。大田南畝など は、文人墨客の番付で、立行司の役を割り付けられている。以前、戦後日本人の「GNP世界第何位」をこのブログで揶揄したことがあったが、何のことはな い、数百年間の「伝統」があったわけだ。

 ただし、これがある種の《表 table 》であることはまぎれもないことだが、果たして何らかのオブジェクトを序数的に並べる思想と全く同じものかどうかは、もうちょい検討の余地があるように思うので、別に再論することにする。

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