途上国化するUSA
参加しているMLから知り、米国の現況に関し、いささか衝撃を受けたので、自分でも少し調べた結果を記事化しておく。
■米国における子どものホームレスは150万人以上
・毎年、50人に一人の子どもがホームレスを経験している。
・子どものホームレスは150万人以上。
What Is Family Homelessnesss?(The Problem) by THE NATIONAL CENTER ON FAMILY HOMELESSNESS より
この問題をザッと調べてみて困ったのは、政府統計が見当たらないことである。私の調べ方が悪いのか、下記の二つの米国政府機関でそれらしき統計データがうまく見つからない。従って、上記NPOのデータに政府資料から裏を取れていない。この問題に関し、米国連邦政府のデータが実際に無いならば、それはそれで米国におけるこの問題への関心のあり方を示していて考えさせられるが。
United States Department of Housing and Urban Development(アメリカ合衆国住宅都市開発省)
United States Department of Health and Human Services(アメリカ合衆国保健社会福祉省)
■米国民4700万人が健康保険(医療保健)に関し、無保険状態
これに関しては、ニューズウィーク日本版によい記事があるので、リンクをたどられたし。
アメリカの医療保険制度は最高だ!1(ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト)
アメリカの医療保険制度は最高だ!2
とにかく酷いありさまで、米国の人口が3億1千万人だとすると、国民6人に1人が無保険状態ということになる。
こういうことは当然、国民の生命力(=寿命)にも影響を及ぼす。
■主要先進国中最低の米国人寿命
①図録▽主要先進国の平均寿命の推移
このデータで見る限り、主要国中最下位。
②図録▽世界の平均寿命ランキング
このデータからは、国別寿命ランキングで米国29位。人口1人あたりのGDPは世界2位にも関わらず、発展途上国にさえ抜かれている。
この4つの資料の「社会実情データ図録 Honkawa Data Tribune」のサイト主の本川氏は、戦後日本の平均寿命の伸びに関して①においてこうコメントしている。
1950年代には主要先進国中、最低だった日本の平均寿命が、1970年代~80年代には総て抜き去り、世界一に躍り出ている。誠に戦後日本の誇るべき実績であると実感できるデータである。医学の進歩の影響はいずれの国でも享受していると思われるので、この輝かしい実績の主たる要因としては、国民皆保険制度の普及、日本的食生活の2つをあげることが可能であろう。財政問題に端を発している医療制度改革の取り組みがこうした実績を崩さないまま成果をあげられるかどうかが問われている。
(カラーフォントは引用者)
一部の国民のいわば「野垂れ死に」を放置し、マクロの実態としても途上国化しつつある米国という国家。この不正義国家に、ヤクザの女よろしくついていくしかない「日米同盟命」の日本。そして、日本における好感度NO.1国家米国を粉飾するため、マインド・コントロールの片棒を担ぎ続ける新聞・テレビ。このおぞましくも危険な虚構から、列島住人が脱け出すためには、統治する者の意見 opinionとは異なる、被治者の意見 opinionを各自が意識して持つようにするしかあるまい。
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コメント
オオモリさん、コメントありがとうございます。
日本のメディアには、米国(経由)以外の情報が少なすぎます。ブラジルの現状を知るのによいサイトがあれば、お時間があるときにご紹介戴ければ幸甚です。
投稿: renqing | 2011年1月 3日 (月) 11時07分
僕はかねてより21世紀のアメリカ合衆国は20世紀の南米をなぞるだろうと考えてきました。
列挙された統計を見ると僕の予感は間違っていなかったのではと改めて思います。
南米との違いはアメリカが情報や農業等の分野で囲い込みを行い覇権を維持しようと企図していることでしょうか。国内の問題の解決には全く寄与しないでしょうが。
自国の富裕層の世論によって全体の動向が決まるような「ならずもの国家」とは縁を切りたいものです。
これは21世紀前半の日本の課題でもあるでしょうね。
中国ばかりに目が行きがちですが、本当は関係の深いブラジルにもっと注目するべきでしょう。一周回って今は最先端を走っていると思います。
投稿: オオモリ | 2011年1月 3日 (月) 08時12分