« 「系譜学」から「機能学」へ(1) | トップページ | 成長とは自己像(self-image)の刷新である »

2011年1月 4日 (火)

小津富之助とは何者か?

 小津富之助は、裕福な伊勢松阪商人の子として生を享けた。生来商いが肌に合わず、長兄(養嗣子)が江戸表で死んだ21歳のとき、店を畳む。その時整理した資産の残りが400両。

いちおう利子生活者の状態だったようだ。そこで、400両が現代の価値でいくらになるのか計算してみようと、いろいろサイトを探して、1両=6万円、というレートを探し出した。すると、400両=24百万円。きょうび、これで利子生活者になれるのか知らん、と少々不安だったのだが、こちらの記事* からしてもそう大きくは違わないようだ。まあ、若い小津富之助がこれからの人生を考えたとき、医者(のち小児科医)になろうとしたのも、生活に不安はあまりないが、より安定した、自分にも他人にも誇れる職をもちたいという動機だったのだろう。それとも京で思う存分学問に触れたいというのがこの若者の本音だったかもしれない。

 この人物、31歳から名を変え、享和元年(1801年)72歳のその死まで、仮面の人生を全うすることとなる。墓標には「本居宣長之奥津紀」と書くように、己の葬儀の式次第を含め、生前念入りな指図書を残した。

*江戸時代の貨幣価値:03(上方編) | 歌舞伎風俗通信

〔参照〕小津富之助とは何者か?(2)

|

« 「系譜学」から「機能学」へ(1) | トップページ | 成長とは自己像(self-image)の刷新である »

思想史」カテゴリの記事

本居宣長」カテゴリの記事

資本主義」カテゴリの記事

コメント

足踏堂さま

本居評価は、先送り。

1両=6万円ですが、参考にしたサイトでは1両=6万円超、となっておりました。ま、一応。

して、このレートはおおよその相対評価による目安です。そもそも、徳川期においては、銭、銀、金、は互いに変動相場制。その上、金貨である「両」は高額貨幣で日常の消費経済レベルでは決済に全く使用されず。

ということで、どだい、数百年前の通貨価値を換算することにムリがあるわけですが、それを承知で換算すると、という前提条件付です。

私が参考にした下記サイトの説明は、一応納得いきましたが。お時間があるときに、一瞥されることをお薦めします。

江戸時代の貨幣価値:01 ~03| 歌舞伎風俗通信
http://somikakuda.jugem.jp/?eid=72#sequel

投稿: renqing | 2011年1月11日 (火) 03時26分

足踏堂さま

あけましておめでとうございます。
こちらこそご無沙汰いたしております。

足踏堂さまの切れ味鋭い記事、
■Communicability(1)■ - 日記はこれから書かれるところです。 - 楽天ブログ(Blog)
http://plaza.rakuten.co.jp/sokutou/diary/200603300001/
が今頃気になりまして、関連したものを書きたい
と思いつつ順延しております。

頂戴しましたコメントに関しましては、本記事の続きとしてアップしたいと思います。数日お待ちください。

投稿: renqing | 2011年1月 7日 (金) 15時05分

新年おめでとう御座います。
ご無沙汰致しておりますがお元気でしょうか。

一両=6万円程度というレートは、大分昔に耳にした覚えがあります。
大分昔というのは、もちろん、規制緩和の波が押し寄せる以前の、グローバリズムなんて言葉がまだ膾炙していなかった頃です(固定相場時代だなどとは申しませんが;私はその頃を良く知りません)。

これだけ円高が進んでも、江戸⇔日本のレートに変わりないということにちょっと違和感を覚えてしまいます(例えば、この20年くらいとっても、「高収入」を表す「額」は変わりましたよね?)。

そもそもそうした相場観は、当時の日用品と現代の日用品の単純比較から割り出されていたのではなかったかと、うっすら記憶しております。とすれば、日用品が商業品化する以前の商業世界とそれ以後の商業世界とを、日用品で単純に比較するのもどうかと思ってしまいます(エンゲル係数が役に立たなくなったことの一因は、食の商業化にあったかと存じます)。兎も角、同じ土俵に乗っていないもので比べてしまっているのではないかと。

まあ、以上はどうでもよい話ですが、本居は相当恵まれていたというのは間違いなさそうですね。
私はどうしても、本居が好きになれないのですが、今年は、そうした食わず嫌いを克服する年にしようかな。

renquingさんの本居評価を期待しております。

本年も宜しくお願い申し上げます。

投稿: 足踏堂 | 2011年1月 7日 (金) 08時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104369/50488594

この記事へのトラックバック一覧です: 小津富之助とは何者か?:

« 「系譜学」から「機能学」へ(1) | トップページ | 成長とは自己像(self-image)の刷新である »