セイコーの傑作ラジオCM(1980年代)
春、その転校生は、東京の香りを連れて、突然僕の前に現れた
立原道造のソネット シャガールの画集 白いハイソックス ドゥービーブラザーズのLP 僕は、探偵のように彼女の宝物を調べた
夏休み 汗ですべる万年筆を握りながら、僕は1時間に1本のペースでコーラを飲み、3本目を飲み干してまもなく、ラブレターを書き上げた 湯気が出そうな初めてのラブレター そのせいか、ポストまで歩くと、軽いめまいがした
それからの一週間は、蝉が鳴き続けていたような気もするし、1日に3回、冷たいシャワーを浴びていたような感じもする
物語はここで終わる。 転校生は、2学期の名簿から、綺麗に消えてしまったし、僕もまた、女の子より、バスケットボールの方が扱いやすいことに気づき始めていたからだ
Sweet Begin, Bitter End. 戻れないから 抱きしめる 僕らの時間 セイコー
ナレーター:広中雅史
コピーライター:高井克行
曲:Never Gonna Fall in Love Again (by Eric Carmen)
※この出典は下記。感謝。
恋にノータッチ - エリック・カルメン Never Gonna Fall in Love Again - Eric Carmen - YouTube
※参照
ERIC CARMEN, 'SUNRISE '
菅生浩『巣立つ日まで』ポプラ社(1974) ←私にとってはこの小説のイメージ
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コメント
エースのジョー 様
コメントありがとうございます。
私がラジオから流れる、このセイコーのCMを聴いたのは、おそらく大学卒業頃から新米サラリーマンの頃の事だと思います。何しろ、ラジオCMを聴いたのですから、テレビを持っていなかったはず。当時は会社の独身寮に入っていたため、自室にはテレビがなかったので、部屋に居るときは四六時中、ラジオを流していたような記憶が少しあります。
そんな偶然がこの名作CMとの出会いなのだとしたら、職場で右往左往して、結構ヘロヘロだった当時の私への、神様のちょっとしたgiftだったのかも知れない、とそれから40年後のおじさん(おじいさん?)は、遠くを見つめてしまいますね。
このブログは実質、独り語りなので、コメントは嬉しい限りです。感謝です。
投稿: renqing | 2020年4月12日 (日) 17時58分
このCMを聞いた時、BGMに惹かれ、曲名がわかるまで20年かかったことを思い出しました
投稿: エースのジョー | 2020年4月12日 (日) 14時59分