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2012年1月29日 (日)

ボルシア・ドルトムントのフォーメーション変化(2010→2011)

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 香川真司所属のドルトムントが、一事の不調を脱して、昨季のチーム・パフォーマンスを取り戻しつつある(ように見える)。 今季の最大の課題は、ヌリ・シャヒンの抜けた穴をどう埋めるかだったが、なんとか現有戦力での戦い方が見えてきたようだ。

 そこで、シャヒンがいた時とシャヒン後のフォーメーションの比較を試みる。

 

■図Ⅰ 2010年8月16日時点

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 昨季は、中盤の底にシャヒンがいた。アーセナルのベンゲル監督がシャヒンの才能を絶賛したのは彼が16歳のときだ。昨季、《フジ・すぽると!マンデーフットボール》で、風間八宏氏が、注目選手においてシャヒンを取り上げた際も同様だった。風間氏は、シャヒンの長短のパス能力、FKの技術もそうだが、それ以上にゲームを読み状況を把握する能力を高く評価していた。その意味で、ゲームをコントロールできるプレーヤーで、シャビ・アロンソと似ている。昨季のゲームでも、シャヒンの鋭いボール奪取から、素晴らしいロングパスがバリオスに送られ、バリオスがそのテクニックでキープ、ポスト役をこなし、その切り開かれたスペースに後ろから香川が侵入することで、相手DFを混乱に陥れるという、トップ・バリオス、シャドー・香川での絶妙の攻撃が、ドルトムントの一つの重要なストロング・ポイントだった。


■図Ⅱ 2011年9月2日時点

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 今季は、ドルトムントのプレーメーカーであるシャヒンが抜け、そのポジションにギュンドアンが入った形でスタートした。しかし序盤戦、そのギュンドアンがフィットしない。ギュンドアンは移籍したシャヒンとプレースタイルが異なり、後ろ目に構えて大きくゲームをコントロールするより、前目に出て、自らシュートやスルーパスを狙いたいタイプ。このため、ゲッツェや香川と役割がかぶってしまい、タレント豊富な中盤が逆に機能しない事態が続いた。バリオスも怪我で出遅れ、トップ・バリオス+シャドー・香川の攻撃パターンが使えない。バリオスに代わりワントップに収まったレヴァンドフスキは、ポストプレーというより、相手DFの裏を狙い、PA外からでもシュートの意識の強いFWで、バリオスのように自らゴールを狙いつつ、動きながらゴール前に香川やゲッツェが侵入するスペースを作るということをしないタイプ。したがって、得点ランキング4位、PKなしの14得点と快調に自分の実績は積み上げてきたが、その割には前半戦でチームのパフォーマンスに貢献していると言い難い。昨季はバリオスがチームのトップスコアラーだったが、バリオス以外のゴールも多く、それがチーム全体としての圧倒的な得点力になっていた。

 そうこうしてギクシャクしていたのだが、そこにゲッツェの怪我による離脱が降って湧いた。このゲッツェの離脱によりドルトムントの中盤は却って役割が整理され、香川が攻撃の核となることが明確となった。香川は香川で、パサーのゲッツェの穴埋めを意識して、中盤の攻撃の構成や、ラストパサー役も引き受けることで、攻撃時の視野が広がり、彼のパフォーマンスの向上がチーム得点力のアップに直結し始めている。また、チームに今ひとつフィットしないまま前半戦を終えたギュンドアンをウィンター・ブレイク明けに先発からはずし、そこにケールを入れる決断をクロップがして、縦にシンプルに攻め込む昨季の躍動感がチームに戻り始めてる。

 一つ懸念材料があるとすると、昨季のディフェンス力まで回復していないことか。大量得点しても、クリーンシート(無失点試合)があまりない。これはDFの問題というより、前線から献身的にボールを追うバリオスから、そうでもないレヴァンドフスキにワントップが変わったことが影響しているだろう。つまり、チーム全体の守備力の問題だ。前節でのゲームではレヴァンドフスキの動きも、スペースに走りこむなど、少し変わったようなので、前からのボール・チェックが効いてくれば、昨季なみの守備力も戻るだろうと思う。

〔出典〕
図Ⅰ 基本フォーメーション - ドルトムント - ヨーロッパサッカーガイド 2010-2011シーズン選手名鑑 | OCNスポーツ
図Ⅱ 基本フォーメーション - ドルトムント - ヨーロッパサッカーガイド 2011-2012シーズン選手名鑑 | OCNスポーツ

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