今年を占う
新年、あけましておめでとうございます。
今年の世界資本主義は少なくとも10年単位の変動が来そうです。既に外為市場の振る舞いはそれを示しています。
①ドル円相場(10年間)
②ユーロ円相場(10年間)
一方で、財政の悪化問題が米欧で賑わっています。そこで米英独の長期国債の金利を見ると以下のようです。
③米国財務省証券(10年物)※③④⑤は何れも、中央三井アセットマネジメント、より。
④英国財務省証券(10年物)
⑤ドイツ財務省証券(10年物)
長期金利に関しては、米英が下げトレンド。独はどちらかと言えば上げトレンド。しかし、米国の長期国債は積みあがっているはず。
⑥米国国債残高(米債務残高上限問題と金価格 | GoldNews)
ということは、米英では中央銀行が国債を相当買い込んでいると見てよいでしょう。市中消化を大幅に上回る国債発行があるのに長期金利が下げトレンドにな るには強力な買い手が必要ですから。独は、中央銀行の国債買い入れを法的に禁止しているので、昨今のユーロ危機で、独国債の市中消化がうまくいかないとな ると、そのとばっちりでジリジリと長期金利が上がり始めそうです。
総合すると、ドルやユーロが紙屑になる、とまでは断言できませんが、マクロ金融的な経済環境は悪化することはあっても、快方に向う可能性は低いの で、ドル、ユーロの信認が引き続き、投機家たちに試され続けるはず。となれば、ドル、ユーロともに対円相場が下げ続ける可能性がその逆より高いのは間違い なさそうです。問題の焦点は下方に突っ込むそのペースとなるでしょう。大きな混乱は避けられないと予想するのが合理的です。
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