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2013年3月20日 (水)

David Hume からの問い/ A question from David Hume

中学生に以下のような課題を出しました。お閑があれば、ご一考戴ければ幸い。

問題 下記の文で、デイヴィッド・ヒュームは、国民が政府の言うことに素直に従ってしまうことは驚きである、と述べています。なぜですか。その理由を書きなさい。

デイヴィッド・ヒューム(David Hume)

政府の第一原理について(1742)/ On the First Principles of Government (1742)

    「哲学的な眼で社会現象(human affairs)を考察するひとにとり、多数者が少数者によりやすやすと支配されているあのたやすさと、ひとびとが、彼らの意見や情念をすなおに彼らの支配者のそれにしたがわせているあの一も二もない盲目的なすなおさ(implicit submission)ほど驚異的に思われるものはありません。このような驚異的な現象を生み出している原因をたずねてみるとき、『実力』(force)はいつも被支配者の側にあるのですから、支配者側が支柱とたのむものが輿論以外にはないということがわかるでしょう。したがって、政府の基礎は輿論だけということになります。そして、この原則は、最も自由で最も人民的な政府にも、最も専制的で最も軍事的な政府にも、一様にあてはまります。」
    D.ヒューム「政府の第一原理について」『市民の国について』上、岩波文庫(1992年)
、p.226

"Nothing appears more surprising to those, who consider human affairs with a philosophical eye, than the easiness with which the many are governed by the few; and the implicit submission, with which men resign their own sentiments and passions to those of their rulers. When we enquire by what means this wonder is effected, we shall find, that, as FORCE is always on the side of the governed, the governors have nothing to support them but opinion. It is therefore, on opinion only that government is founded; and this maxim extends to the most despotic and most military governments, as well as to the most free and most popular. "

※それにしても、20歳代そこそこでこういう思想、思考に到達できた David Hume とは、つくづく社会科学、人文学の天才だと思います。現代では天才学者などといいうと、すぐ物理学者や数学者を連想してしまうかもしれませんが、人間社会に関する洞察には自然科学や数学とは異なる困難があり、従ってその難問にふさわしい天才が必要とされる訳ですね。

〔参照1〕上記、原文(を含む全文)は、下記を参照。
治者であるがゆえに正しいわけでなく、被治者であるがゆえに正しくないわけではない(2)

なお、コメント欄に解答頂ける奇特な方がおられれば応答します。

〔参照2〕
David Hume からの問い(2)

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