ももいろクローバーZ 『 5TH DIMENSION 』 (2013)
新収録の楽曲はかなりの割合でロック色(いわゆるプログレ)濃厚。無論、アイドル歌謡路線のものもあり。
ご関心のある向きに、ご参考まで私にわかる範囲で楽曲毎に簡単な注釈を施しておこう。
ロック色の濃いもの(R)、アイドル歌謡色のもの(I)と記号を振っておく。
1. Neo STARGATE(R)
作詞:森 由里子 作曲:大隅知宇 編曲:TeddyLoid
編曲者はごく若い日本人クリエーター。前奏に使われている壮大なカンタータについては弊ブログ記事を参照。
2. 仮想ディストピア(R)(I)
作詞:只野菜摘 作曲:AKIRASTAR 編曲: AKIRASTAR
3. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」(I)
作詞:前山田健一 作曲: 前山田健一 編曲:前山田健一
4. 5 The POWER(R)
作詞:いとうせいこう 作曲:MURO・SUI 編曲:MURO・SUI
入りからエンディングまで、なかなかのかっこよさ。うーん、という感じ。
5. 労働讃歌(R)
作詞:大槻ケンヂ 作曲:IAN PARTON 編曲:IAN PARTON
作曲・編曲のIAN PARTONは、イングランドのロックバンド「The Go! Team」の中心メンバー。日本人女性が2名が含まれる。詞、曲ともにその大きさを感じさせる。
6. ゲッダーン!(R)
作詞:下地 悠 作曲:Damian J.Kulash Jr. 編曲:Damian J.Kulash Jr.
作曲・編曲のDamian J.Kulash Jr.は、シカゴ出身のロックバンド「OK Go」の中心メンバー。リズムの刻みがなかなか唸らせる。クールだ。
7. Z女戦争(I)
作詞:ティカ・α 作曲:ティカ・α 編曲:近藤研二
8. 月と銀紙飛行船(I?)
作詞:岩里祐穂 作曲:永井ルイ 編曲:永井ルイ
サビでのワルツから壮大なバラードへの転調が心地よい。私の一押し。
9. BIRTH BIRTH(R)
作詞:前田たかひろ 作曲:NARASAKI 編曲NARASAKI・ゆよゆっぺ
10. 上球物語 -Carpe diem-(R)
作詞:Zopp 作曲:横山 克 編曲:横山 克
副題の Carpe diem は、ラテン語で「其の日の花を摘め」の意。ホラティウスの 『歌集 Carmina*』の中の言葉。この曲の詞中にも、メメモント・モリ(死を思え)とラテン語の警句が使われている。「ケセラセラ」といった仏語も見えるので、1970年代に活躍したフランスのプログレ・ロックバンド「Carpe diem」がモチーフになっているらしい。
*ここにもCarminaがでてきましたねぇ。Carmina Buranaとリンクしてるのかしら?
11. 宙飛ぶ! お座敷列車(I)
作詞:桑原永江 作曲:佐藤 晃 編曲:長谷川智樹
12. サラバ、愛しき悲しみたちよ(R)
作詞:岩里祐穂 作曲:布袋寅泰 編曲:布袋寅泰
布袋のギターの切れは相変わらずかっこいい。
13. 灰とダイヤモンド(I)
作詞:只野菜摘 作曲:前山田健一 編曲:近藤研二
このタイトルは、1958年のポーランド映画アンジェイ・ワイダ監督「灰とダイヤモンド」が有名だが、詞の内容的に本歌取りを狙っているわけでもなさそう。
全体としてかなり実験的、というか挑戦的なアルバム。これが吉とでるか凶とでるかは分からない。ディープな音楽ファンには受けは良いようだが、よい意味での大衆性に?がつくかもしれない。その辺のことは下記のビルボード・ジャパンのCD評をご参照ください。
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