日本語は animate な言語 ?
故加藤周一が『日本文化のかくれた形』岩波現代文庫(2004) で日本文化の特徴として、絵巻物を挙げていた。また、『日本その心とかたち』スタジオジブリ(2005)
では、高畑勲との対談で、絵巻物とアニメの関連を指摘していた。
英語の動詞 animate は、語源的に「息を吹き込む」=「生気を与える」を意味している。
これとひょっとすると深く関連するかもしれない性質が日本語にあることを指摘する記事が下記である。
引用開始
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3.2. 日本語文は動詞が多い
日本語文には、 中国語や英語以上に動詞が多用される。 日本語は元来、 形容詞が少ない言語であったらしい。 手元の国語辞典でク活用・シク活用の形容詞の数を数えると、 1ページに 2個以上あることはまれである。 形容詞は、 辞書の見出し語の 1%にも満たないと思われる。
日本語では形容詞不足を補うため、 古来から大量の漢語をいわゆる形容動詞として中国から輸入すると同時に、 動詞を使って状態を表現してきた。 「疲れた」、「異なった」などは、 英語や中国語では通常は形容詞になるが、 日本語では動詞である。 日本語の動詞は比較的簡単に複合動詞を作って微妙な意味を表現できる。 「疲れ切った」や 「眠り込んだ」で 「疲れた」、 「眠った」に微妙なニュアンスを付け加えることができる。 そのために日本語では動詞が発達し、 他言語では形容詞で表現される意味内容も好んで動詞で表現されてきたのであろう。
日本語にはこのほか、「...といった」や「...に関する」などの意味のない動詞性の挿入句も多い。
動詞の多用された文を中国語に翻訳することは、 非常に難しい。 日本語の動詞の連体形がすべて中国語の「..的」になると覚悟しなければならない。 「的」の多用された中国語文は、前項で説明したように非常に読みにくい。
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引用終了
現代中国語とは?
の中の、
3.2. 日本語文は動詞が多いより。
※参照、弊ブログ記事。 中国人は「漢文」を読めるか(2)
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