推論と知識量1 Inference and Amount of knowledge (1)
論理的な推論形式には大きく分けて、3つのタイプがある。
1.演繹(Deduction)
2.帰納(Induction)
3.仮説形成(Abduction)
これらの中には、新知識を増やすタイプのものと増やさないタイプのものがある。
簡単な例を挙げてみる。
白豆100個を入れた袋がある。そこから3個取り出したとき、上の3つでどう推論できるか。また、そのとき知識量はどのくらい増えるか、を考えてみよう。
演緯的推論(Deduction) | ||||||
一般則 | 具体例 | 事実 | ||||
この袋の中の豆100個はすべて白い | この3個の豆は袋の中の豆である | この3個の豆はすべて白い(はずだ) 既知 | ||||
100 | 3 | 0 | ||||
帰納的推論(Induction) | ||||||
具体例 | 事実 | 一般則 | ||||
この3個の豆は袋の中の豆である | この3個の豆はすべて白い | この袋の中の豆残り97個はすべて白い(だろう)未知 | ||||
3 | 3 | 97 | ||||
仮説形成(Abduction) | ||||||
事実 | 一般則 | 具体例 | ||||
この3個の豆はすべて白い | この袋の中の豆100個はすべて白い | この3個の豆は袋の中の豆だった(だろう) 未知 | ||||
3 | 100 | 新知識α |
演繹は0個の豆についての知識。
帰納は97個の豆についての知識。
アブダクションは、量ではなく、質的な新知識について教えてくれる。
これを「学習」に絡めて書くつもりだったが、ガス欠となった。
捲土重来。
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