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2013年12月29日 (日)

靖国史観マトリックス

 今の自民党政府首脳は、靖国史観主義者で占められているとおぼしい。でも、靖国史観主義の本質は、「勝てば官軍」だ。だとすると、かの対連合国戦争は、全き敗北なのであるから、「勝てば官軍」の対偶、「負ければ賊軍」でなければならない。にも関わらず、この主義者たちは、「それでも靖国史観主義は正しい。」と強弁して恥じないのだ。「美しくない」連中だといえる。


正しい 正しくない
勝ったらから 「勝てば官軍」
負けたから
「負ければ賊軍」

 もう一つの例を出してみよう。

 西洋において、「正義」や「法」が問題となる際は、常に「神」の存在が問題となる。例えば、「力は正義なり Might is right.」という言葉。これは、日本語で「勝てば官軍」と訳される。この場合、「力」とは勝者のことだ。しかし、「勝つ」ということは、実は神の加護があった証拠だとされ、勝利は神の意志=正義が実現されたと考えられた。つまり、勝者こそが、神の正義を実現したことになる。


勝つ 負ける
正しいから 「力は正義のあかし」
正しくないから
「弱いことは不正義のしるし」

だから、建国からその精神にピューリタニズム(「教会は神の軍隊」)を刻印されてしまっているアメリカ合衆国には、《軍事的敗北》を受け入れる精神的余地はない。したがって、事実上の負け戦でも、見せかけだけでも勝利のトロフィーを国民に与えるため、内戦の泥沼に引き込まれていくのだ。

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コメント

御意。

投稿: renqing | 2013年12月29日 (日) 20時56分

なるほど、彼らは「負けても官軍」と言うわけですね。

投稿: 御坊哲 | 2013年12月29日 (日) 20時52分

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