東京帝国、その支配の起源(1)
「東京帝国-地方植民地」構造の歴史的起源は、意外に新しい日付を持っているのではないか。それは、財務省(財政=所得循環)、日銀(金融=資金循環)と関連する。
財務省の地方支配手段は、地方交付税交付金だが、これは1936年(昭和11)の臨時町村財政補給金に始まり、1940年(昭和15)に創設された地方分与税制度のなかの配付税制度によって本格的な確立をみる。
また、税収の内訳をみると、税の直間比率は、1934-1936平均では、直対間=35:65だが、1941(昭和16)では、64:36になる。給与所得に対する源泉徴収が始まるのは、1940年だ。
旧大蔵省が地方支配の実効的な手段を手に入れたのはそれほど昔のことではない。
日銀の資金循環支配については別で書く。
それと比べると、官僚(外務省)の対米依存は、《夷-華構造》に遠因があると思われる。
これについては、下記の私のブログ記事を参照されたい。
「華夷」ではなく「夷華」
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