アリストテレス「詩学」Aristoteles, Peri poietikes (補遺)
(2)の記事とほぼ同じ指摘がされているのを知らせて頂いたので記載しておこう。
人間は自らの知をたよりに行為する存在者であるが、その知は狭く暗い。したがって、自分が人生へ投げこんだ意図の波紋を見透かすことができない。人間の行為が思わざる致命的結果となって自分自身へはねかえることは、人の知と力の有限性からいって必然なのである。神々とは、悲惨な結末によって、人間にその有限性を思い知らせる行為の状況の暗さ世界の暗さ、存在の闇にほかならないであろう。
岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』岩波ジュニア新書441(2003年)、P.42
足踏堂さん、サンキュです。
syaosuさん、強力な援軍がありましたね。しかし、この指摘がアリストテレス論として正しくとも、弊記事の「詩学」論としての立論に十分な余地がある、という主張はまだ引っ込めませんが(笑)。
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