アリストテレス「詩学」Aristoteles, Peri poietikes (補遺)
(2)の記事とほぼ同じ指摘がされているのを知らせて頂いたので記載しておこう。
人間は自らの知をたよりに行為する存在者であるが、その知は狭く暗い。したがって、自分が人生へ投げこんだ意図の波紋を見透かすことができない。人間の行為が思わざる致命的結果となって自分自身へはねかえることは、人の知と力の有限性からいって必然なのである。神々とは、悲惨な結末によって、人間にその有限性を思い知らせる行為の状況の暗さ世界の暗さ、存在の闇にほかならないであろう。
岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』岩波ジュニア新書441(2003年)、P.42
足踏堂さん、サンキュです。
syaosuさん、強力な援軍がありましたね。しかし、この指摘がアリストテレス論として正しくとも、弊記事の「詩学」論としての立論に十分な余地がある、という主張はまだ引っ込めませんが(笑)。
(1)へ戻る
| 固定リンク
« 邯鄲の歩み | トップページ | 循環と生成(メモ) »
「書評・紹介(book review)」カテゴリの記事
- Rose petals in the canyon(2023.10.25)
- 峡谷に薔薇の花弁を(2023.10.25)
- 戦後日本の食料自給率なぜ低下したか?/ Why did Japan's food self-sufficiency rate decline after World War II?(2023.09.18)
- The genuine "leader" by Peter F. Drucker / 真のリーダー(ピーター・ドラッカー)(2023.09.12)
- 動物に心はあるか?/Do animals have minds or hearts?(2023.09.02)
「思想史(history of ideas)」カテゴリの記事
- 徂徠における規範と自我 対談 尾藤正英×日野龍夫(1974年11月8日)/Norms and Ego in the Thought of Ogyu Sorai [荻生徂徠](2023.08.30)
- 徳川思想史と「心」を巡る幾つかの備忘録(3)/Some Remarks on the History of Tokugawa Thought and the "mind"(kokoro「こころ」)(2023.06.11)
- 初期近代の覇権国「オランダ」の重要性/ Importance of the Netherlands as a hegemonic power in the early modern period(2023.05.15)
- Wataru Kuroda's "Epistemology"(2023.05.01)
- 黒田亘の「認識論」(2023.04.30)
「Aristotle」カテゴリの記事
- 肉体は頭の下僕?/ Is the body a servant of the head?(2021.12.15)
- 寄生獣〔岩明均:1988-95/アニメ2014-15〕③(2021.09.20)
- 寄生獣〔岩明均:1988-95/アニメ2014-15〕②(2021.09.18)
- 賢いオイディプスが何故「過つ」か/ Why Oedipus, the Wise, Made a Mistake(2021.02.09)
- 悲しみは《こころ》を解き放つ/ It is sadness to release the bound heart.(2020.06.17)
コメント