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2015年5月27日 (水)

思想とは空気である(2)/ Thought is air (2)

 R.ベネディクトの The Chrysanthemum and the Sword : Patterns of Japanese Culture,1946『菊と刀』平凡社ライブラリー版2013年〕の元になった研究(第二次大戦中)のスポンサーが、米国政府(United States Office of War Information)であることに釈然としないものをずっと感じていたが、下記を読み諒解した。

But there are some people, nevertheless—and I am one of them—who think that the most practical and important thing about a man is still his view of the universe. We think that for a landlady considering
a lodger, it is important to know his income, but still more important to know his philosophy. We think that for
a general about to fight an enemy, it is important to know the enemy's numbers, but still more important to know the enemy's philosophy. We think the question is not whether the theory of the cosmos affects matters, but whether in the long run, anything else affects them.
I. Introductory Remarks on the Importance of Orthodoxy, HERETICS(1905) by Gilbert K. Chesterton

およそ一個の人間に関してもっとも実際的で重大なことは、なんといってもその人の抱いている宇宙観である、という考えをもっているのが世間にはいく人かいるが、私もその一人である。われわれの考えるところでは下宿屋の女将が下宿人の品定めをする場合、下宿人の収入を知ることは重要なことではあるが、それにもまして重要なのは、彼の哲学を知ることである。まさに敵と矛を交えようとする将軍にとって、敵の勢力を知ることは重要ではあるが、しかし敵の哲学を知ることの方がよりいっそう重大なことであるとわれわれは考える。おもうに問題は、宇宙に関する理論がものごとに影響を与えるか否かということではなくて、つづまるところをそれ以外にものごとに影響を及ぼすようなものが果たして存在するかどうかということなのである。
W.ジェイムズ『プラグマティズム』岩波文庫(1957)、P.9より孫引き、傍線引用者

〔参照〕思想とは空気である(1)

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