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2016年4月 8日 (金)

最澄の一乗・三乗論争

一乗・三乗論争というのは、法相宗は、声聞・縁覚・菩薩という修業者の三つの種類(三乗)に応じた悟りの別があるという三乗説に立ち、それに対して、天台宗はすべての人は同じく仏になることができるという一乗説(一乗思想)に立つことによる。

一乗説はまた、すべての人は仏性があるという悉有仏性説と同義と考えてよい。このあとの日本仏教は、一乗説・悉有仏性説が主流となる。本覚思想はもちろん、鎌倉期の禅や浄土教、日蓮宗などの思想もすべてこの基礎の上に成り立つものである。
末木文美士『日本宗教史』2006年岩波新書 、P.53

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