国債発行利回りの30年間の推移
前回のエントリー関連で、日本の長期国債の表面利率(発行利回り)の推移が気になったので調べてみた。財務省のサイトには、国債の昭和50年度末以降表面利率の加重平均データがあったので、当方でExcel化してグラフ化した。また、流通利回りの長期統計もあったので、とりあえず10年物が発行され始めた昭和61年(1986年)からの10年物国債の推移をグラフ化してみた。それが下記。
(注) 1.利率別は、表面利率(変動利付債は適用利率)による。
2.利率加重平均の計算には、割引国債(無利子分)を除いている。
3.普通国債とは、建設国債、特例国債、減税特例国債、承継債務
借換国債、復興債及び年金特例国債である。
前回エントリーで取り上げた、
「ドーマーの定理(ドーマーの条件)」1)
仮に国債が累増しても、その累積残高のGDP比が一定に維持できて、累積残高の加重平均表面利率がGDPの名目成長率を上回らなければ、国家財政は破綻しな い
を前提に考えると、この30年間の見事な金利低下は、「景気浮揚」というより、財政の破綻回避(と銀行救済)が第一の政策目的と考えても不思議ではないだろう。流通利回りは、債券発行者にとり、それ以下では売れないという意味での発行利回り(額面利回り)の下限を意味する。なぜなら、投資家にとり債券市場で流通する利回りを下回る新発債を買うくらいなら、既発債を流通市場から購入した方がマシだからである。
1)Title: The "Burden of the Debt" and the National Income,
Author: Evsey D. Domar,
The American Economic Review, Vol. 34, No. 4 (Dec., 1944), pp. 798-827
※上記グラフは、下記サイト掲載のデータからブログ主が作成した。
普通国債の利率加重平均の各年ごとの推移(昭和50年度末以降) : 財務省
国債金利情報 : 財務省
※参照 名目GDP成長率推移(総務省|平成24年版 情報通信白書より)
内閣府 国民経済計算により作成
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html
〔参照1〕日本銀行のバランスシート
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