なすべきことを発見する方法
人間にはその時々において大抵、「やりたいこと(実現したいこと)」(願望or欲望)がある。また、その際、当人にとって所与の環境条件や所持している能力・スキルによって制約され、限界づけられる「できること」(実行可能性)がある。
この二つが、
「できること」≧「やりたいこと」
という関係にあるなら、何の問題もない。「やれば(実行すれば)」よいだけだ。しかし、人の具体的な生においては、しばしば
「できること」≦「やりたいこと」・・・①
であることが多い。すると、ここで人の行動は二つに分岐する。一つは「あきらめる」(断念)。あと一つは、この二者の「ギャップを埋める」。
だとすれば、そのギャップとはなんだろう。①式を変形してみよう。
「できること」-「やりたいこと」 ⇒ 負の数? ・・・②
これが、当人のその時点における「やらなければならないこと」だろう。つまり、
「やりたいこと」-「できること」=「やらなければならないこと」・・・③
となる。目標実現のために必要とされる「努力」、というところか。
「やりたいこと」は、時間軸の取り方を長くとれば、人生の課題や目標(大金持ちになりたい、ひとの役に立ちたい、etc.)ともいえるだろうし、中期的なら「~大学に入りたい」「~資格を取りたい」、短期なら「次の公式戦に勝ちたい」、「この商談を成功させたい」となるだろう。
だとすれば、③式は人間の行動の指針、課題を示す式と言える。何かをしなければならないのではないかと焦燥感にかられながらも、具体的に何をすればよいのか、見当がつかないとき、こういう整理の仕方で、具体的な行動の指針をとりあえず分節化(Articulate)することはできると思う。
※補注
「やりたいこと」を Desire、「できること」を Feasibility、「やらなければならないこと」を Effort、とすれば、③式は、
E = D - F (努力 = 願望 - 実行可能性)・・・④
と示してもよい。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 「沈黙」と「待つ」ことの機会費用/ Opportunity cost of "silence" and "waiting"(2024.08.12)
- 有田焼のマグカップ/ Arita porcelain mug(2024.04.25)
- 父と子 father and son (若干、追記)(2024.03.10)
- 虹 rainbow(2024.03.09)
- 河津桜(2024.03.03)
「金言」カテゴリの記事
- 変わることと変えること/ To change and to change(2024.02.16)
- The Language of the night ( Ursula K. Le guin )(2022.04.22)
- 人は「子」として生まれる(2021.04.19)
- オジオン「聞こうというなら、黙っていることだ。」/ Ogion, "To hear, one must be silent."(2020.12.19)
- 「幻なき民は滅ぶ」Where there is no vision, the people perish(2020.04.29)
「Creativity(創造性)」カテゴリの記事
- 有田焼のマグカップ/ Arita porcelain mug(2024.04.25)
- AI Lies: Creativity Support and chatGPT(2023.07.10)
- AI は嘘をつく: 創造性支援と chatGPT(2023.07.10)
- 徳川日本のニュートニアン/ a Newtonian in Tokugawa Japan(2023.05.18)
- 未発の潜勢力としての「Chaos 混沌」/ "Chaos" as an unexploited potential force(2022.09.01)
コメント