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2018年2月 5日 (月)

古代中国の環境破壊

 浅野裕一著『古代中国の文明観 ―儒家・墨家・道家の論争―』2005年岩波新書
の、PP.2-3、にこうあります。

 夏王朝は五百年近く続いたが、前1600年頃、殷の湯王によって滅ぼされる。殷の時代、黄河の流域には鬱蒼たる森林が広がり、原野ではゾウ・サイ・ウシ・クマ・トラ・シカなど大型の哺乳類が生息し、河川や点在する湖には無数の水鳥が群舞していた。
 だが巨大な都市の建設や墳墓の造営のため、そして美麗な青銅器の鋳造のために、材木や燃料として大量の樹木が切り倒され、森林は急激に減少していった。もとより野生動物も、森林の減少や乱獲によって、しだいにその数を減らしていく。文明の発達による本格的な自然破壊が開始されたのである。

 日本列島では、縄文中期ごろから寒冷化が進み、縄文文明はゆっくりと衰亡していきます。そして寒冷化は弥生時代初頭(紀元前8~7世紀)に底を打ち、再び列島の平均気温は上昇に転じました。一方で、この現象は、この弧状列島だけのこととはなかなか考えられません。マクロには北半球規模、ミクロなら、東アジア一帯のことと推測することもできるかも知れません。

 とするならば、上記の殷の時代は、寒冷化への道をまっしぐらに進んでいた時期と重なっていた可能性も否定できません。そうなれば、人間の自然開発と寒冷化のダブルパンチで、黄河一帯の生物環境が悪化した、と言うこともできます。従って、上記浅野氏の論断には、いまだ幾つかの留保が必要であろうと思われます。

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